遊休地を有効活用〜日鉄鉱業 鉱滓堆積場で太陽光発電、甲子町大橋で起工式
ソーラー発電所が建設される中の沢堆積場
日鉄鉱業(本社東京、佐藤公生社長)は15日、釜石市甲子町大橋の「中の沢堆積場」に整備する太陽光発電所の起工式を行った。旧釜石鉱山事務所の北側にある同堆積場は約17万平方メートルの広大な平地で、モトクロスコースとして使用されたこともあるが、現在は遊休地となっている。発電所は今年12月の稼働開始を目指す。
中の沢メガソーラー発電所の完成予想図
施設名は「釜石中の沢メガソーラー発電所」。堆積場のうち約5万平方メートルを発電所の敷地に充て、9240枚の太陽光発電パネルと付属設備を建設する。最大出力は1990キロワットで、一般家庭約500世帯の電力をまかなう発電能力を持つ。工事はNSテックスエンジ(本社東京、升光法行社長)が請け負う。
起工式には関係者35人が参加し、神事で工事の安全と事業の成功を祈った。佐藤社長は「東日本大震災から5年。釜石市は力強く復興の歩みを進めている。この事業が災害に強いまちづくりに役立ち、地域のエネルギー安定供給につながるよう願う」とあいさつした。
起工式でくわ入れする佐藤社長
日鉄鉱業は遊休地の有効活用策として国内各地にメガソーラーの建設を進めている。釜石市内では、15年1月から稼働を始めた甲子町大松地区に次いで2カ所目の施設。全国では7カ所目になる。発電規模はほとんど同じという。
市内の大規模太陽光発電施設は、建設工事が進む楢ノ木平を含め3カ所目。
中の沢堆積場は1955年から71年まで、釜石鉱山の鉱滓(さい)を集積。旧釜石鉱山事務所の北側に位置し、高さは約120メートルにも及ぶ。広大で人里離れた立地を生かし、モトクロスコースへの転用が検討されたこともある。安全管理の面で、一般の立ち入りは制限されている。
(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)
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