釜石TC進出決定 栗田を逆転開幕8連勝、嫌な流れも勝ち切る強さ
後半34分、ナンバー8須田康夫主将が駆け抜けトライ。粘る栗田工業を突き放す=11月28日、神奈川県相模原市の相模原ギオンスタジアム
ラグビートップイーストリーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCは11月28日、神奈川県相模原市で栗田工業と対戦し、26―19(前半7―14)で逆転勝ちした。釜石は開幕から8連勝で勝ち点を38に伸ばし、1試合を残して2位以内が確定。2年連続で、トップリーグ昇格につながるトップチャレンジ(TC)進出を決めた。釜石は前半、WTB小野航大のトライで先制。その後、敵陣ゴール前でのミスから2トライを奪われ逆転を許したものの、後半メンバーを入れ替えて勢いを取り戻す。スクラムを押し込んでナンバー8須田康夫主将が同点トライ。WTB村井佑太朗のトライで勝ち越し、さらに須田主将がトライを加え、粘る栗田を振り切った。5日に東京・秩父宮ラグビー場で行われる最終戦では、リーグ初制覇とTC1進出を懸け、全勝で首位を走る三菱重工相模原と対戦する。
2年連続で手にしたトップチャレンジ進出にも、11年ぶりだった昨年のような興奮はない。全勝対決となる三菱重工相模原との最終戦へ向け、三浦健博ヘッドコーチ(HC)は「新しい歴史をつくろうとやってきた。全勝で優勝したい」と当たり前のことのように言ってのけた。
栗田工業には昨季、苦杯を喫している。「苦手意識があった」と三浦HC。敵陣ゴール前まで迫りながらもパスミスからカウンターを食らうという、同じような形で2トライを許し逆転された。
だが少しも慌てることなく、後半開始早々、切り札のFBジェームス・カマナら3人を一気に投入。積極的なライン参加でかく乱し、逆転勝利に結びつけた。
「相手が思ったほど前に出て来ないので、積極的にボールを動かそうとしたところを突かれた。後半はラインを深くし、すぐに修正できた」。三浦HCは冷静に試合を振り返った。
2トライで勝利に貢献した須田主将も嫌な流れに動じなかった。「ミスからトライを取られはしたが、くれてやるというぐらいの気持ちだった」と強気。後半11分、スクラムを押し込み、サイドを突いてトライ。34分には豪快な突進から相手の守りをぶっちぎり、インゴールに飛び込んだ。
「昨季は気持ちにムラがあったが今季はぶれない。フィジカルを鍛え、新戦力もしっかり融合できている。精神的にも強くなった」。須田主将は、昨季までだったら落としたかもしれない難しい試合も今季は勝ち切る強さをアピールした。
開幕から8連勝はチーム初。須田主将は「いい立ち位置で(三菱重工に)チャレンジできる。序盤からプレッシャーをかけられれば」と全勝優勝を頭に描く。
ルーキー村井 殊勲の勝ち越しトライ
明大卒のルーキーWTB村井佑太朗(23)が殊勲の勝ち越しトライを決めた。後半22分、FBカマナからパスを受けると、タックルを振り切ってインゴールに飛び込んだ。
後半22分、勝ち越しトライを決める村井佑太朗
社会人リーグでは2つ目のトライになるが、トップチャレンジ進出が懸かる重要な試合だけに喜びは格別。左太ももを打撲で傷め、ここ2試合は欠場していただけに、安堵(あんど)の表情も見せた。
持ち味は広い視野。「いつでも冷静に判断できるように」と心がける。「しっかりと自分の役割をこなし、全勝優勝に貢献したい」
(復興釜石新聞 2015年12月2日発行 第441号より)
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