建設業の仕事を身近に 釜石東中生が重機、ドローン操作など体験 協会釜石青年部恒例ふれあい事業

県建設業協会釜石支部青年部の「ふれあい事業」で重機操作を体験する釜石東中の1年生
一般社団法人岩手県建設業協会釜石支部青年部(小澤二郎部会長、25社)は18日、釜石市鵜住居町の釜石東中(高橋晃一校長、生徒83人)で、建設現場の仕事の一端を体験してもらう「ふれあい事業」を行った。同校1年生21人がバックホー(油圧ショベルの一種)やドローン(小型無人機)の操作、VR(仮想現実)での危険察知、高所作業車の試乗を体験。生徒たちは普段接することのないさまざまな機械に触れ、生活基盤を支える建設業の仕事に理解を深めた。
同事業は釜石青年部が地域の学校に出向き、毎年この時期に実施している。以前は小学校を巡回していたが、昨年から中学校も対象とし、釜石東中は市内2校目の実施。会員企業と重機リースなどの協賛各社から31人が参加した。今回は4つの体験メニューを用意。生徒はグループごとに各コーナーを回った。

生徒が体験した(左上から時計回りに)バックホー操作、高所作業車試乗、ドローン操作、VR事故体験・安全教育
土木工事に欠かせない建設機械「バックホー」の体験では、バケット(ショベル)の根本部分に取り付けた鎖で地面に置かれた魚の絵の板を釣り上げ、移動させる動作に挑戦した。運転席に座った生徒は会員から左右のレバー操作の基本を学んだ後、鎖を板に近づけ釣り上げるための上下、左右の動きを両手を駆使して実践。最初は思うように動かすのに苦戦していたが、操作に慣れてくるとゲーム感覚で“模擬魚釣り”を楽しむ様子が見られた。

バックホー操作体験。バケットに付けた鎖で“模擬魚釣り”

青年部会員が操作の仕方を教えると、わずかな時間でコツをつかむ生徒も
さまざまな現場を上空から撮影できるカメラ機能を備えたドローンは、建設業界でも普及率が高い機材。施工の前後、進捗(しんちょく)状況などを俯瞰(ふかん)でき、記録した写真や映像は測量や施工管理、工事報告などに活用されている。生徒らは離着陸のほか、数十メートル離れた場所に置いたコーンの上空まで飛行させるコントローラー操作を体験した。

ドローン操作体験。手元のコントローラーを操り、思うような飛行ができると笑みがこぼれた

ゲームより楽しい!? ドローン操作に夢中になる生徒
生徒の歓声がひときわ響いたのが高所作業車の試乗体験。墜落制止用の胴ベルトとヘルメットを着用した生徒は作業床(デッキ)に乗り込み、会員の操作で約12メートルの高さまで上昇した。作業車を止めた校庭は海抜15メートル。作業床は中学校校舎の敷地とほぼ同じ高さに達し、震災復興で整備された鵜住居町の街並みのほか、鵜住居川水門や大槌湾も見渡せた。

高所作業車試乗体験。安全ベルトを装着しデッキへ…。会員の操作で徐々に上昇

高さ約12メートルまで上昇。上からの景色にびっくり!
山崎愛加さんは初めて乗った高所作業車に「高くて怖いけど、町内の土地が満遍なく見えてすごく楽しかった」と声を弾ませた。父親は建設業で、この日の体験もサポート。「建設業の人たちは危険がありながらも地域のいろいろな安全を守るための仕事をしてくれているので、すごくありがたい。父は尊敬する存在」と山崎さん。同じグループで行動した藤原菫さんも「全部楽しいけど、一番はあれ!」と高所作業車を指差した。「建設業はまちをつくる大切な仕事」と藤原さん。実際に現場で活躍する人たちとの交流機会を得て、「皆さん社交的で素敵な方ばかり。こういう仕事もいいなあ」と興味を持った様子。楽しい触れ合いを通して「将来の職業の選択の幅が広がった」と喜んだ。

「お~い!」校庭にいる仲間に手を振る生徒。写真左中央部には鵜住居川水門、駅前の復興住宅などが見える

校庭にいる人たちがこんなに小さく見える(右)。車両近くから見上げる景色も圧巻
現場作業員の安全対策教育に活用されるVR事故体験教材では、死亡災害要因の上位を占める20の事故のシチュエーションを体験。墜落・転落、土砂崩壊、重機巻き込み、トンネル崩落など、さまざまな危険をVRで体感した。
浦島光真さんは「VRで現場にある危険を知ることができた」と安全対策の重要性を実感。印象的だったのはドローン操作。「高い視点で土地を見られるので、建設業でもすごく役立ちそう」と話した。今、考えている職業は「父と同じ自動車整備士。工業系に進みたい」と将来を思い描いた。藤原英佑さんはバックホーの操作に興味を持ち、「最初は難しかったけど、3枚目の板を釣り上げるぐらいからコツをつかんでできた。大きい機械だけど繊細な動きも可能で、実際の作業員さんはすごいなと思った」。建設業の仕事は「危険もあるが、ちょっとやってみたい気持ちが芽生えた」と進路選択の参考にした。

担当者からVR安全教育教材の説明を受ける生徒

生徒、会員が楽しい時間を共有したふれあい事業。たくさんの笑顔が広がった
同じ鵜住居町に本社がある青紀土木の今井大志さん(27)はドローン操縦士の二等国家資格を持つ。中学生のドローン体験のサポートは昨年に続き2回目。「反応をじかに見られるのが面白い。初めてコントローラーに触る子も体験するうちに笑顔になってくる」と自身も楽しい時間を共有。「建設業を少しでも身近に感じてもらえたら」と話し、将来一緒に働く仲間が増えることも期待した。
子どもたちへの出前授業は同青年部が長年継続する地域貢献活動の一つ。建設業の仕事を知ってもらい、将来の担い手育成のきっかけになればとの思いもある。小澤部会長(47)は「少子化の影響で県内工業高校にあった土木科がなくなってきていて、人材確保は各社共通の課題。人口減、高齢化が進む釜石地域は特にも」と話し、こうした機会を通じた建設業の魅力発信に力を注ぐ。
青年部は同事業の開催校で奉仕活動も実施。事前に学校から希望を聞いて環境整備を行っている。今回、東中ではグラウンド整備と周辺の草刈り、砂利駐車場の水はけの改善に取り組んだ。

天候を考慮し、会員の一部は校庭の草刈りを並行して実施。午後からは全員で奉仕活動に取り組んだ

釜石新聞NewS
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