ふるさと釜石を応援!深い思いを「はまゆり」に乗せ 画家・石森寛さん、新市庁舎完成で絵画贈る


2026/09/15
釜石新聞NewS #地域

新市庁舎の完成を祝い絵画を寄贈した石森寛さん(右)

新市庁舎の完成を祝い絵画を寄贈した石森寛さん(右)

 
 「釜石応援ふるさと大使」を務める釜石市出身の画家、石森寛さん(71)=東京都町田市=は10日、新市庁舎完成を祝い、市の花「はまゆり」を描いた絵画を市に贈った。首都圏在住の釜石市出身者やゆかりの人々でつくる釜石はまゆり会の会長なども務める石森さんが、記憶の中にある古里の風景をイメージ化して描写。「古里釜石への深い思いを込めて制作した。まちの象徴として末永く」と願った。
 
 贈られたのはF30号(縦約73センチ、横91センチ)の油彩画で、題名は「はまゆりが咲く頃」。石森さんは古里の風景をテーマの一つに据えているというが、この作品も子どもの頃に見た古里の海とハマユリを「記憶を頼りに」イメージして表現。花のオレンジと海や空の青が溶け込むよう柔らかい色使いにし、「夢のある絵」に仕上げた。
 
 作品の寄贈は今回が初めて。今月24日に開庁予定の新市庁舎で贈呈式があり、石森さんは「見る人によっていろいろなイメージが湧くように描いた。その時の気持ち、天候によっても見え方が違ってくると思う。自由な気持ちで見てもらえたら」と期待を込め、小野共市長に絵を託した。
 
市民に親しまれるハマユリを題材に作品を制作した石森さん

市民に親しまれるハマユリを題材に作品を制作した石森さん

 
ハマユリのつぼみは全て上向き。「未来に続く希望となるように」と願いを込める

ハマユリのつぼみは全て上向き。「未来に続く希望となるように」と願いを込める

 
 石森さんは釜石南高(現・釜石高)から東京芸術大に進み、大橋賞(首席で卒業)を受賞した。文化女子大(現・文化学園大)教授を長く務め、石巻専修大客員教授も歴任。現在は画業に専念し、個展、グループ展への出品は多数。はまゆり会長のほか、東京岩手美術会代表、釜石南高同窓会関東支部長、東京芸大ラグビー部OB会事務局長なども担い、精力的に活動している。
 
 絵の制作は、小野市長が依頼。石森さんは4月から描き始め、5カ月かけて完成させた。好きなものを描いてきたため、題材を与えられた今回は「大変だと思った」と明かした石森さん。もともと古里、三陸の風景を題材にした作品の創作も続けてきたが、改めて自身の記憶を見つめる機会となったようで、「いい経験になった」と表情を明るくした。
 
 油絵の味わい方も紹介。キャンバスに何層もの色をのせる、複雑な描き方をしていると話し、「絵の具の重なり合いや色の溶け込み、凸凹、こだわりの絵肌を近くで楽しんでほしい」と望んだ。
 
小野共市長から感謝状を贈られる石森さん(右)

小野共市長から感謝状を贈られる石森さん(右)

 
再会に感激⁉現庁舎に飾られている石森さんの作品

再会に感激⁉現庁舎に飾られている石森さんの作品

 
 寄贈作品は、新庁舎の市長室に通じる通路に設置する予定だ。「ハマユリは厳しい環境の中でもりんと優しく咲いている花。これまで艦砲射撃や津波災害を経験しながらも、力強く未来につないできた釜石と重なる」と小野市長。古里への深い思いを込めて制作された作品は「まちの魅力と郷土への愛情を広く伝え、多くの市民に感動と潤いを与える貴重な財産」として、石森さんに感謝状を贈った。

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