歩いて確認!地域の危険箇所 命を守る手作り防災マップで共有 釜石小で発表会

釜石小で開かれた「ぼうさい安全マップ」発表会
釜石市大渡町の釜石小(五安城正敏校長、児童62人)で10日、地震や大雨、台風などの災害ごとの危険場所をまとめた「ぼく・わたしのぼうさい安全マップ」の発表会が開かれた。通学路、遊び場など自分たちが住む地域で見つけた気になるポイントを児童同士で共有。自分の命を守る意識を高め合った。
全校児童が参加。発表は6年生(11人)が中心となり、中高学年も加わった。学区内の5地区(浜町、天神・只越、大只越、大町、大渡)の子ども会ごとに発表。マップには「土砂崩れの可能性」「クマが出る」「排水が大雨であふれるかも」などと危険内容を記した付箋が貼られ、発表者は写真も示しながら津波の指定緊急避難場所と併せて説明した。

マップに示した危険箇所について発表する児童

危険な点を書いた付箋や写真が貼られた手作りマップ

注意が必要な場所をスライドで示しながら説明した
東日本大震災について、家族らから聞いたことも紹介した。釜石を襲った津波の高さは9.3メートル。襲来時に家屋などを巻き込みバキバキという音が響き渡り、ものすごい勢いだった。2波、3波と繰り返し押し寄せると伝え聞いた天神・只越地区の児童は「絶対に戻らないということを大切にしなければいけません」と強調。大只越地区の児童も「地震が来たら逃げ道を作ることも大事。大津波がくる前に逃げ、絶対に引き返さないこと」と重ねて訴えた。

児童は家族らから聞いた東日本大震災のことも伝えた

東日本大震災の津波浸水区域を知ってもらう工夫も
マップには、震災の津波浸水区域がひと目で分かるような工夫も。山と川に挟まれた大渡地区は震災時、津波が川をさかのぼり、あふれる水が逆流して大きな被害を受けた。説明した児童は災害発生時、さまざまな危険が重なることに触れながら、「大渡地区にいたら釜石小に避難して命を守ってください」と呼びかけた。
浸水区域の表示は今回初めての試み。マップをまとめた5、6年生が「次に大きな災害、津波がきた時、『ここまでだったから大丈夫』ではなく、より高く、もっと上、もっと上の方へ逃げてほしい」と願いを込めたのだという。

東日本大震災の津波浸水区域を示して注意を促す
発表を聞いた1年生は「津波が怖い」と感想を話した。そのほかの学年の児童は「川が近く心配なので、早く避難したい」「5地区の避難場所や危険な箇所が分かった。遊びに行ったり、一人の時には気をつけて行動したい」などと受け止めた。菊池浩央さん(3年)は「自分の家が震災の時に流されたところに入っていた。より早く避難場所に着けるようにしたい」と学びを深めた。

発表を聞いて学んだことや感想を話す児童
釜小ぼうさい安全少年団長の山﨑良菜さん(6年)は「きょうの発表を通して、自分の命は自分で守るということを意識し、本当の災害が起きた時に生かしてほしい。登下校の時、危険な場所を確認しながら歩いて、日ごろから気をつけて生活してもらえたら」と願いつつ、自身も行動への心構えを新たにする機会にした。
マップ作りは震災前から続けられている活動。今年も全児童が取り組み、6月上旬から中旬に自宅周辺の危険な場所を地図に記入。その後、持ち寄った情報を5、6年生が大きな地図にまとめた。避難場所や危険箇所、震災の津波の高さを示す看板などの写真も撮ったり、「みんなに分かりやすく伝わるよう」にした。昇降口に掲示する。

月に1回取り組む「釜小ぼうさいの日」。防災に関するメッセージを発信する
震災発生日の3月11日にちなみ、同校では毎月11日を「釜小ぼうさいの日」として総合的な学習に取り組む。五安城校長は「命を守るため、きょうの勉強を大事にした上で、いざという時には自分の目で見て、音を聞いて判断できるようになってほしい」と期待。発表を聞いて「危険」「怖さ」を感じる子もいたようだが、「どこにいても危険はある。自分が住むまちのいろんな面を知ることで、いいところ、危ないところが見えてくると思う。だけど、みんなには今いる場所を好きになってほしい」と見守る。

釜石新聞NewS
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