鶏肉のオヤマ(一関市) 釜石2カ所目の養鶏場「和山ファーム」で7月から飼育開始 年内本格稼働へ

釜石市橋野町和山に建設されたオヤマの新養鶏農場「和山ファーム」。鶏舎1~4号棟が完成した=2日
一関市の鶏肉生産加工販売業オヤマ(小山雅也代表取締役社長)が、釜石市橋野町和山に新たな養鶏農場「和山ファーム」を建設。一部鶏舎の完成を受け、7月から飼育を開始する。同社の釜石農場は2024年4月から稼働する栗林町の「リアスファーム」に次ぎ2カ所目。和山の農場も鶏の健康飼育や資源循環などの環境に配慮した設備で、栗林と同規模の生産を見込む。全施設の完成は11月。年内の本格稼働を目指す。
昨春から工事が進められてきた和山ファームは鶏舎6棟のうち4棟が完成。今月2日、関係者約60人が出席し、第1期工事完成竣工式が現地で行われた。神事で出席者の代表が神前に玉串をささげ、新農場の安全、安定操業を祈願。鶏舎の内覧会で、施設の概要や設備について同社の担当者から説明があった。

3号棟鶏舎で行われた和山ファーム第1期工事完成竣工式の神事

神前に玉串をささげ、安全操業を祈願。出席者が乾杯して竣工を祝った

上空から見た「和山ファーム」の敷地。(左上から)鶏舎6棟を配置。右側2棟(5、6号棟)は建設中=写真提供:千葉建設
新農場は一般社団法人栗橋地域振興社(菊池録郎代表理事会長)が管理する和山地内の土地を借用して建設。約4万平方メートルの敷地に鶏舎6棟(総面積9741平方メートル)のほか、鶏ふん倉庫、ボイラー室、灰倉庫、管理棟、排水処理施設などを整備する。総事業費は約15億円。
鶏舎は窓のない閉鎖型断熱構造(ウインドレス鶏舎)で、広さは国内最大級。鶏の成長過程に適した室温をコンピューターで自動制御できる換気、入気システムを導入する。床下には、鶏ふんの燃焼熱で沸かした温水を活用した床暖房設備もある。夏場の暑さ対策としてミスト噴霧装置や空気の流れを変えるロールカーテンも。照明は小電力、環境に配慮したLED電球で、一部鶏舎には除菌、鶏の健康促進に効果が期待される紫外線発光機能付き電球を試験導入する。鳥インフルエンザ防除など野鳥・野生動物侵入防止策、各種衛生管理を徹底する。

内覧会会場となった4号棟鶏舎の内部。面積1623平方メートル。奥行きは約74メートル

両側の入気口から入った空気が奥の壁一面の換気扇に流れていって換気。入気、換気はコンピューターによる自動制御

夏場の暑さ対策のためのミスト噴霧装置。鶏の体感温度を下げ、ヒートストレス軽減
屋外には鶏舎1棟につき4基の飼料タンクが配置され、パイプで送られた餌を自動給餌。水も自動給水で、新鮮な餌や水を与えることができる。鶏舎1棟で約2万8000羽を飼育。6棟の年6回の出荷で、年間約100万羽の生産を見込む。成長した鶏は一関市の工場に輸送して食肉処理される。鶏ふんの燃焼灰はリン酸カリ肥料として販売するほか、飼料米の水田などに使用。資源循環型の生産システムで環境に配慮した取り組みに貢献する。

餌や水もパイプから自動で供給されるシステム。オレンジ色の容器が給餌皿
「奥州いわいどり」などのブランド鶏で知られる同社は、鶏の飼育から食肉処理、加工品製造、販売まで自社の一貫システムで行い、安全で高品質の鶏肉を提供する。国産鶏肉の市場拡大に伴い、生産量増加を目指し、餌の仕入れ先がある釜石市への養鶏農場新設を計画。2021年7月に同市と立地協定を結んだ。同市栗林町の養豚場跡地に鶏舎8棟を有する「リアスファーム」を建設し、24年4月から稼働する。さらなる事業規模拡大に向け、昨年3月には一関市室根町に処理能力が従来の約2.5倍、一日8万羽となる新工場が完成。釜石2カ所目となる「和山ファーム」の稼働は、安定的な供給体制確立につながるものと期待される。
竣工式で小山社長は「地元関係者、建設事業者のご尽力の結晶を会社の発展につなげ、恩返しをしていきたい。室根の処理場と釜石の2農場の連携を深め、本県の鶏肉生産全国3位を1位に押し上げるよう頑張っていく」と決意を示した。釜石への農場設置は餌の供給拠点が近いことによる飼料運搬費削減のほか、三陸道を利用した一関の工場への鶏輸送時間短縮などの利点がある。「高速道路網の完成、釜石市の協力も後押しになって、とんとん拍子でここまできた。近くに民家のない和山は立地もいい。病気対策もしっかりしながら安全安心な生産に努めたい」と小山社長。

「目指すは岩手の鶏肉生産日本一」。オヤマの小山雅也代表取締役社長
同社は昨年6月、釜石市の酒造会社浜千鳥、食品加工の麻生三陸釜石工場、みそ、しょうゆ製造販売の藤勇醸造とタッグを組み、新商品「むね肉の漬梅焼き」を開発。同市ふるさと納税の返礼品にも採用される。釜石の農場で生産された鶏肉は市内の学校給食や子ども食堂にも提供された。
竣工式に出席した同市の平松福壽副市長は2カ所目の農場進出に「釜石の農畜産業振興、経済効果を含め、地域の希望になる。さらなる特産品開発にもつなげていければ。海産物だけではない当市の食の魅力を発信できれば」と大いに期待。栗橋地域振興社の菊池録郎代表理事会長は「和山の土地利用が進むのは喜ばしい。環境に配慮した先進的な施設で安心感もある。今後も産業や観光で和山の活性化が図れれば」と願った。

1~4号棟鶏舎は7月から鶏の飼育を開始。年内に「2回転はできるのでは」と小山社長
同社によると、今後は残る鶏舎2棟と付属施設の建設を進める。完成した4棟では7月から飼育を開始。従業員は7~8人の雇用を予定する。

釜石新聞NewS
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