風車建て替え11基で運転再開 ユーラス釜石広域ウインドファーム 現地で竣工式

風車を建て替え、3月から営業運転を開始した「ユーラス釜石広域ウインドファーム」の竣工を祝った関係企業、自治体の代表者ら
釜石、遠野、大槌2市1町にまたがる風力発電所「ユーラス釜石広域ウインドファーム」は、2023年8月から進めてきた風車の建て替えが完了し、本年3月から営業運転を開始している。1基あたりの出力が大きい風車を導入し、以前の43基から11基に集約。これまでと同規模の発電量を維持する。22日、新山展望台近くの6号機ヤードで、事業者のユーラスエナジーホールディングス(諏訪部哲也代表取締役社長、本社:東京都千代田区)による竣工式が行われた。
関係者約120人が出席。神事で自治体や関係企業の代表が神前に玉串をささげ、新施設の安全操業を祈願した。事業者を代表し諏訪部社長は「単なる設備の更新ではなく、これまで築いてきた地域との信頼関係、風という貴重な資源を次の世代へ確実につなげていくための新たな一歩。今後も安全を最優先とした安定操業に努め、脱炭素社会の実現と地域の持続的な発展に貢献していきたい」とあいさつした。

竣工式の神事で発電所の安全操業を祈る出席者ら

あいさつしたユーラスエナジーホールディングスの諏訪部哲也社長(左上)、平野公三大槌町長(右上)
来賓の平野公三大槌町長は「自然災害に直面するたび、持続可能なエネルギー社会構築の必要性を強く実感する。本事業は再生可能エネルギー先進地域としての新たな可能性を示すもの。災害発生時にも安全、安定的に稼働するクリーンエネルギー施設の存在は、地域の回復力向上にも資する」と期待を述べた。

出席者は神職のお祝いの言葉の後、お神酒をいただいた
同発電所は2004年12月から営業運転を開始。約20年が経過し、高経年化が進んだため、設備の全面的な更新(建て替え)を行うことになった。23年3月に営業運転を終了。既存の風車43基を撤去し、新たに大槌町側の東サイトに8基、釜石、遠野市側の西サイトに3基の計11基を建設する工事が行われた。
新設風車はベスタス社(デンマーク)製で、1基あたりの出力は国内最大級となる4200キロワット(以前は1000キロワット)。ブレード(羽根)3枚が描く円の直径(ローター径)は117メートル。タワーの高さは84メートル。11基の総出力は以前と同じ4万2900キロワット。これは一般家庭約2万4000世帯の消費電力に相当する電力供給量で、年間約4万トンのCO2削減効果が見込まれる。風車の大型化と集約化で発電量の増加、メンテナンス効率の向上が期待される。売電先は東北電力ネットワーク。

以前より大型の風車で営業運転する釜石広域ウインドファーム(写真提供:ユーラスエナジーホールディングス)

8基の風車が稼働する東サイト(写真提供:ユーラスエナジーホールディングス)
釜石市の小山田俊一産業振興部長は「当市は2050年までにCO2排出実質ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ』への取り組みを進めている。本ウインドファームの稼働は脱炭素社会実現を大きく推進させる。更新した施設が地域のシンボルとして親しまれ、安定したエネルギー供給により、持続可能なまちづくりへの力強い原動力となることを願う」と述べた。
地球温暖化の進行で再生可能エネルギー導入の必要性が一層高まる中、ユーラス社は3市町の高原地帯に風車を増設する計画も進めている。

釜石市の和山高原などに3基が設置された西サイト。稜線を走る通称「スリーグリーンライン」から圧巻の風車風景を臨める

釜石新聞NewS
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