隣町からいち早く駆け付け民家延焼阻止 大槌町山林火災対応の釜石市消防団に日本消防協会から支援金

日本消防協会からの災害対策支援金の目録を釜石市消防団の菊池録郎団長(前列右)に手渡す岩手県消防協会の高橋信博会長(同左)
4月22日に大槌町で発生した山林火災現場に駆け付け、消火活動に尽力した釜石市消防団(菊池録郎団長)に、公益財団法人日本消防協会(秋本敏文会長)から災害対策支援金100万円が贈られた。同火災対応の労をねぎらい、団活動を支援するのが目的。5月21日、同市鈴子町の釜石消防庁舎(釜石消防署)で交付式が行われた。
同岩手県消防協会の高橋信博会長(日本消防協会理事、北上市消防団長)、上平久浩事務局長が来庁。釜石市消防団の菊池団長、佐藤秀富、佐々幸雄、岩﨑政夫3副団長が応対した。上平事務局長は、消火活動にあたった地元消防団への敬意と感謝、早期鎮火への願いを込めた日本協会秋本会長のメッセージを代読。高橋会長が菊池団長に支援金の目録を手渡した。
大槌町小鎚、吉里吉里両地区で同日、発生した山林火災。2カ所目の吉里吉里での出火後、消火応援の要請を受けた隣町の釜石市消防団は、大槌に隣接する地域の第6分団(鵜住居町、片岸町など)が吉里吉里の現場に駆け付けた。さらに第7分団(栗林町、橋野町)も加勢し、大槌消防署、消防団とともに消火活動にあたった。現場は民家が近くにある場所で、住宅など建物への延焼を防ぐため、夜通し放水を続けた。

4月22日、大槌町吉里吉里地区に設けた現場本部で、消火活動の指示を受ける釜石市消防団の団員ら(写真提供:釜石消防署)

大槌町消防団とともに放水を行う釜石市の消防団員(写真提供:釜石市消防団第6分団)

民家など建物への延焼を阻止するため、夜を徹して放水を続けた。第6分団は約70人が翌23日朝まで吉里吉里、赤浜地区で消火活動にあたった(写真提供:市消防団第6分団)
翌日(4月23日)は第1~5分団が出動。火の勢いが増し、延焼が拡大する中、懸命な消火活動が続けられた。2日間で団員111人、消防車両18台が出動。県内の相互応援消防隊のほか、県外から緊急消防援助隊が続々と到着したことで、同市消防団は役目を終えた。
菊池団長(74)は「風が強く延焼拡大の危険が迫る中、団員たちは必死に消火にあたった。近くの消火栓が使えず、離れた防火水槽から水を上げ、ホースを中継させるなど、水不足で苦労した。夜を徹して(延焼を)食い止めることで民家が守られたのは団としても誇りに思う」と団員の労をねぎらった。

20メートルのホースを何本もつなぎ、現場に水を送る(左)。燃え上がる炎で暗闇の中に浮かび上がる山林(右)。(写真提供:市消防団第6分団)

支援金交付式の後、懇談する出席者。菊池団長らが当時の現場の状況を伝えた
県協会の高橋会長(67)は「隣町という相互関係もあって、迅速な活動ができたことは県協会としても心強く思う。訓練も含め、日頃からの連携はとても大事」と話す。懇談では、昨年2月に大船渡市で発生した大規模山林火災の教訓がかなり生かされていることが話題となった。緊急援助隊にも大船渡での活動経験者が多数いたという。
高橋会長と上平事務局長はこの日、釜石市から大槌町に向かい、大槌町消防団にも同額の支援金交付を行った。

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