春山シーズン到来!五葉山 岩手・三陸の最高峰で山開き 幻想的な道中に“霧中”!?


2026/05/01
釜石新聞NewS #観光

霧に包まれた五葉山。山頂を目指して歩を進める登山者

霧に包まれた五葉山。山頂を目指して歩を進める登山者

 
 釜石、大船渡、住田の3市町にまたがる五葉山(標高1351メートル)は4月29日、山開きした。霧雨が降るあいにくの天気だったが、登山者は湿り気のある道を踏みしめながら山頂へ。“分け入っても霧”という幻想的な山の景色を味わいつつ、春山シーズンの到来を喜んだ。一方、岩手県内では昨年、今年と山林火災が相次いだこともあり、地元消防団が注意喚起のチラシを登山者に配布。安全に、そして安心して山歩きを楽しむためのルールを再認識してもらった。
 
 「昭和の日」の祝日に設定されている山開きは、3市町で組織する五葉山自然保護協議会(会長=小野共釜石市長)が主催。今年も釜石、大船渡の市境となる赤坂峠登山口で安全祈願祭が行われた。関係者、登山者ら約50人が集まり、山や自然への感謝の気持ちを込めて玉串をささげて拝礼。五葉山神社の奥山行正宮司は登山道を清めて無事故を祈った。
 
五葉山赤坂峠登山口で行われた安全祈願祭

五葉山赤坂峠登山口で行われた安全祈願祭

 
山の安全を祈る神事や登山道の状況説明に臨む登山者ら

山の安全を祈る神事や登山道の状況説明に臨む登山者ら

 
 同協議副会長を務める渕上清大船渡市長が「今年も多くの方々が五葉山を訪れ、四季折々の美しさを感じながら、安全に登山を楽しんでほしい」とあいさつ。自然保護管理員の松田陽一さん(62)=釜石市=は「残雪もなく、登山道は歩きやすくなっている」と状況を説明したうえで、「特に危険な場所はないが、雨が降ると登山道上にある土のうが滑りやすくなるので転倒のないように。低体温症などにも注意して」など呼びかけ、登山客を送り出した。
 
登山道の入り口にある名簿箱。登山者は名を記して山道へ

登山道の入り口にある名簿箱。登山者は名を記して山道へ

 
 濃い霧が立ち込める中、登山者は足元を確認しながら慎重に歩いた。時折顔を上げて立ち止まり、植物の芽吹きや新緑など、この時季ならではの眺望を楽しむ姿も。傘をつえ代わりにして「行けるところまで」とゆったりペースで歩を進めるグループもあった。
 
足元に気を配りながら力強い一歩を踏み出す登山者

足元に気を配りながら力強い一歩を踏み出す登山者

 
時には植物の芽吹きや新緑の景色を味わいながら歩く

時には植物の芽吹きや新緑の景色を味わいながら歩く

 
 五葉山は「花の百名山」としても知られ、初夏にかけてツツジやシャクナゲが見頃を迎える。咲き誇る花の美しさに魅了された盛岡市の佐々木浩正さん(64)、圭子さん(64)夫妻は、春山の登り始めとして毎年五葉山へ。「体慣らし、足慣らしにちょうどいい」と笑顔を重ねる。今年は少し早めのスタートになったため、「花のきれいな時季にまた訪れたい。シャクナゲの最盛期はまだ見たことがないから…ね」と再訪を構想。さらに今シーズンは入山規制が緩和される見通しの岩手山の登頂も計画しているようで、「楽しみはこれから」とワクワク感を漂わせた。
 
「装備はしっかりと」。余裕の笑顔と軽快な足取りの登山者

「装備はしっかりと」。余裕の笑顔と軽快な足取りの登山者

 
霧の中へ。登山を愛好する仲間とともに山頂へ向かう

霧の中へ。登山を愛好する仲間とともに山頂へ向かう

 
 山開きに合わせ、山火事への注意を呼びかける啓発活動を行ったのは五葉山を管轄する大船渡市消防団第9分団。昨年は大船渡で、今年は大槌町で大規模な山林火災が発生しているため、団員3人が入山者に声をかけ、チラシを配った。佐藤雄分団長(52)は「登山者の皆さんも火の取り扱いに十分に気をつけてほしい。ご安全に登山を」と協力を求めた。
 
登山口で入山者にチラシを配る大船渡市消防団第9分団の団員

登山口で入山者にチラシを配る大船渡市消防団第9分団の団員

 
 豊かな自然、雄大な景観を有する五葉山は三陸沿岸の最高峰。季節ごとに表情を変える植生、山頂から臨む三陸の海、早池峰山や奥羽山系の山並みは訪れる人々の心を癒やし、力を与える。こうした価値があらためて認められて、今年3月に三陸ジオパークのサイトに正式に登録された。

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