人にも環境にも優しく 新型車両、JR釜石線を走る 釜石駅で出発式「歴史を紡いで」


2026/01/23
釜石新聞NewS #観光

JR釜石線で営業運転が始まった新型車両「HB-E220系」。出発の合図で走り出す

JR釜石線で営業運転が始まった新型車両「HB-E220系」。出発の合図で走り出す

 
 JR釜石線の花巻-釜石駅間で19日、新型車両「HB-E220系」の営業運転が始まった。JR東日本盛岡支社によると、動力に「ディーゼルハイブリッドシステム」を搭載し、環境への負荷を低減。電動車いす対応のトイレやベビーカーなどを置けるフリースペースなども設けた「人と環境に優しい車両」だ。岩手県内の路線で新型車両が導入されるのは2017年の八戸線以来。初日は釜石駅(釜石市鈴子町)で出発式があり、“デビュー”を祝う住民や鉄道ファンらでにぎわいだ。
 
新型車両を見に来た住民や鉄道ファンらが記念撮影を楽しんだ

新型車両を見に来た住民や鉄道ファンらが記念撮影を楽しんだ

 
 新型車両は、ステンレス製で全長20.6メートル。2両編成で定員243人。軽油を使ったディーゼルエンジン発電機と蓄電池からの電力を単独または組み合わせて動力を発生させるハイブリッドシステムを採用する。ブレーキ時にモーターを発電機として利用し、蓄電池に充電。発電機や蓄電池からの電力を走行にも役立てるという仕組み。環境対策として、排気中の窒素酸化物(NOx)や黒煙などの粒子状物質(PM)を低減するエンジンを搭載する。
 
 利用者に対しては、通勤や通学時の乗降をスムーズにするため、従来の車両からドアを1カ所増やして片側3カ所とした。車いすやベビーカー利用者のためのフリースペース、電動車いす対応の洋式トイレも設置。また、各車両には防犯カメラと非常通話装置が設置されており、安全性の向上が図られている。列車が進む方を向いた座席や向かい合わせの「ボックス席」を主体とした車両から転換し、全席を窓に背を向けるロングシートとした。
 
明るい青と緑色のラインが入った車体。車内はロングシート化し広いフリースペースなどが設けられた

明るい青と緑色のラインが入った車体。車内はロングシート化し広いフリースペースなどが設けられた

 
ホームを挟んだ左側には従来の車両が停車。貴重な共演!?

ホームを挟んだ左側には従来の車両が停車。貴重な共演!?

 
 出発式は釜石駅のホームで行われ、約60人が駆け付けた。同支社の大森健史支社長が「沿線に住む皆さんの利用はもちろん、観光を目的とした利用の一助にもなり、沿岸部の盛り上げに貢献できれば」とあいさつ。釜石市の小野共市長は「鉄道は人と人、地域と地域を結ぶ大切なインフラ。この車両が多くの人々に愛され、地域とともに歩み、歴史を紡ぐことを期待する」と歓迎の気持ちを示した。
 
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出発式であいさつする(右から)大森健史支社長、小野共市長、渋谷祭雄駅長

 
 記念のクリアファイルが配布されたほか、車内も公開された。「列車が大好き」という三木夏樹ちゃん(4)は新型車両のシートに座って「前のと違うね。かっこいいね」と大はしゃぎ。母綾菜さん(41)は「新しい匂いがする。広いのもいい。次は乗って旅してみたい」とほほ笑んだ。
 
 初列車に乗るために前日に釜石入りした滝沢市の袖林北翔さん(24)は「環境や人の流れに配慮されていて、いい」と好感触を持った。座り心地もよい車両で「仙人峠の景色を楽しみたい」とわくわくした様子。鉄道は通勤、通学の手段だと話しつつも“乗り鉄”を自認し、「釜石線は遠野とか魅力的な観光があり、グルメも楽しめる。また乗ってみたい」と再訪への思いを口にした。
 
出発式に集まった地域住民や観光関係者ら

出発式に集まった地域住民や観光関係者ら

 
出発を前に表示を確認する運転士ら

出発を前に表示を確認する運転士ら

 
 午前9時2分、釜石駅の渋谷祭雄駅長と小野市長が手を挙げて出発の合図。市職員が虎舞を披露する中、初列車が走り出し、観光関係者らは横断幕を掲げたり手旗を振って見送った。
 
多くの人が横断幕や手旗を持って初列車を見送った

多くの人が横断幕や手旗を持って初列車を見送った

 
 釜石線ではダイヤ改正を行う3月14日以降は全列車が新型車両に切り替わる。渋谷駅長は「地域の顔として末永く愛される列車となるよう育てていきたい。ぜひ、ご利用を」と呼びかけた。
 
 同支社によると、県内では東北本線の盛岡―花巻駅間へも新型車両を投入。JR東では高崎エリアの八高線で先行し、昨年12月から高崎(群馬県高崎市)-高麗川(埼玉県日高市)駅間を走る。

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