東日本大震災15年― 釜石市消防団 出初式で地域防災力強化へ志新た 市民に火災警戒も呼びかけ

消防出初式で分列行進する釜石市消防団の団員ら=12日、大町目抜き通り
2026年の釜石市消防出初式(市、市消防団主催)は12日、大町の市民ホールTETTOなどで開かれた。消防団員と来賓約450人が参加。全国で多発する大規模火災、地震津波や豪雨など自然災害への脅威が高まる中、地域防災力強化の必要性を改めて認識。東日本大震災から15年となる本年に防災への誓いを新たにし、市民の生命、財産を守る活動に意欲を示した。
震災犠牲者へ黙とう後、市防災市民憲章を唱和。統監の小野共市長は式辞で、「日頃の備えこそが、市民の命を守る力となる。消防団員には研さんを重ね、変化する災害リスクに的確に対応できるよう不断の努力をお願いする。地域を守る力は市民一人一人の意識と行動に支えられていることも共有できれば」と話した。

市民ホールTETTOで行われた式典。団員400人が参加した

釜石市防災市民憲章を全員で唱和。東日本大震災の教訓を心に刻む

統監の小野共市長が式辞(上)。地域防災を支える団員に感謝し、期待を述べた
長年にわたる消防防災への功績、職務精励などで団員55人を表彰。釜石市長表彰では勤続30年の団員4人に「永年勤続功労章」が授与された。公益財団法人岩手県消防協会遠野釜石地区支部表彰(支部長:菊池録郎釜石市消防団長)では、2023年5月20日から25年11月30日まで925日間、無火災を達成した第7分団(栗橋地域管轄)など3つの分団が「無火災竿頭綬」を受章。40年勤続で3人、25年勤続で7人、15年勤続で18人、10年勤続で19人が「勤続章」を受けた。消防技能に熟達し、規律厳正、消防業務に率先して精励した4人に「精練章」が授与された。

写真左:釜石市長表彰を受ける第7分団第2部の藤原三夫部長。同右:無火災竿頭綬を受章した第7分団。他に第1分団(無火災730日)と第2分団(同711日)が受章した

敬礼もきびきびと…。新年スタートにあたり消防防災活動へ意欲を高める
式典後、団員らは大町目抜き通りで分列行進。ラッパ隊に続き、まとい振り、徒歩部隊、消防車両(38台)がパレードし、本年1年の消防防災活動へ気を引き締めるとともに、市民に防火、防災意識高揚を促した。1月1日現在、同市消防団の団員数は513人(うち機能別団員83人)。
40年勤続で表彰された第6分団本部の佐々木実分団長(61)は「消防団活動の要は火災予防。住民の皆さんの意識を高めるのが一番の役目」と、車両巡回による注意喚起、巡視・警戒活動に積極的に取り組む。管轄する鵜住居地域は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた。発災から15年にあたり、「いつ、また大きな震災があるか分からない。当時の経験を忘れることなく、命を守る行動をとれるよう地域一体となって訓練していければ」と願う。近年は消防団員の減少、高齢化も課題。「若い団員を確保し、技術を継承していかなければ、地域防災力を維持できない」。コロナ禍以降は特にも、操法訓練が手薄になっている現状もあり、若手団員の基本技術習得にも力を入れたい考え。

伝統のまとい振りで火消しの心意気を示す

熟練団員は堂々の動作で…。火災のない1年を願う

隊列を組んで整然と行進する第6分団。6分団本部の佐々木実分団長(左下写真先頭)は40年勤続で表彰された

消防車両38台もパレード。子どもたちが盛んに手を振って応援
同市の昨年の火災発生は3件(建物2、その他1)。前年より4件減少した。一方で、昨年2月に発生した大船渡市の大規模山林火災をはじめ、全国では気象状況で被害が拡大する事例も増えてきている。本年1月からは、自治体が地域の気象状況など火災の危険性に応じて発令できる林野火災注意報、同警報の運用(期間:1~5月)が始まった。発令時は、山林またはその周囲1キロで火の使用が制限されるが、釜石市と大槌町は全ての地域が該当区域に含まれるため、全域が対象となる。山林、原野などでの火入れ、花火、たき火、可燃物付近での喫煙などが制限される。注意報発令時は努力義務、警報発令時は従わない場合、30万円以下の罰金または拘留が科せられることがある。(発令基準や制限内容など詳しくは同市ホームページで確認)
釜石消防署によると1日以降、同注意報は3回(3、8、10日)発令。8日と10日は注意報から警報に警戒レベルが引き上げられた。空気が乾燥し、風が強く吹く日が多いこの時期、火の取り扱いには十分な注意が必要だ。

釜石新聞NewS
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