釜石の2026年、本格始動 仕事始めで各業界トップ「変化に対応、発展を」

2026年の仕事始め。釜石市魚市場に漁船が入港し活気づいた
2026年の仕事始めとなった5日、釜石市内では各業界のトップが年頭のあいさつを行った。市役所(同市只越町)では小野共市長が「地域力を生かした発展のストーリーをつくっていこう」と訓示。一方、早朝の市魚市場(魚河岸)の初売り式で市漁業協同組合連合会の木村嘉人会長は急変する海洋環境に対応しながら「水揚げ増強を進める」と飛躍を誓った。
市役所で仕事始め式

釜石市の仕事始め式で幹部職員を前に訓示する小野共市長
市の仕事始め式は市役所議場で行われ、幹部職員ら約40人が参加。小野市長は、市政のかじ取り役として2年目となった昨年を「地域力、つまり地域が持つ本来の力が表に見えてきた1年だった」と振り返った。憩いの場の環境整備やにぎわい創出のイベント企画など市内各業界の事業者らが力を結集し、自発的に取り組んだことを挙げ、「まちを良くしたい、盛り上げたいという市民一人一人の気概、力をどう引き出すかが、行政の手腕となる」と指摘した。
4月には市政運営の指針となる第6次市総合計画の後期基本計画(5カ年)がスタートする。「釜石発展のストーリー」と強調し、▽交流人口の拡大▽地域力の活用▽人材育成―という3本の柱を絡ませた取り組みを進める考えを示した。まち発展のきっかけとなった製鉄、水産業の歴史を踏まえ、「釜石は外からの力を発展の力に変えてきた。外部の人を受け入れるフレンドリー性が釜石人の基礎でもある」と見解を説いた。

訓示に耳を傾け、気を引き締める幹部職員ら
課題は人口減。近年、年間800人以上のペースで減っているというが、「その一面だけを見るのではなく、住まう人たちが誇りと自信、満足感を持って生きていけるまちになればいい」とした。その上で、行政マンとして「釜石の良いところ、面白い取り組み、人材を生かすことをまち発展の基礎にすべく、全力でまい進してほしい」と奮起を促した。
市魚市場で初売り式

2026年の初漁日。漁船から陸上へ次々と水揚げする漁業者
市魚市場では午前6時半頃から定置網漁船や陸送で魚が運び込まれ、活気づいた。スルメイカを中心に約5トンを水揚げ。初競りに臨んだ買い受け人は魚を熱心に見定め、次々と取引を進めた。

水揚げされた魚を見定め、競りに臨む買い受け人ら
5日の水揚げは、マイワシが豊漁だった25年初日と比較すると、約90トン減った。「厳しい状況が続いている」と硬い表情だったのは、新浜町の水産加工会社「平庄」(平野隆司代表取締役)の菊池幸一本部長(59)。「買い受け人、漁師もだが魚が来ないと商売にならない」とため息交じりに話した。この日は、カレイ類やアイナメなど200キロを仕入れ、切り身や刺し身にして市内スーパーの店頭へ。「扱ったことのない魚種も受け入れたり柔軟に対応して、あがったものでやるしかない」と苦労をにじませた。

釜石市魚市場の初売り式で鏡開きをする関係者
初売り式も行い、漁業関係者らが鏡開きや手締めで一年の活況を願った。あいさつに立った木村会長によると、市魚市場の25年4~12月の水揚げ量は4892トン(24年同期比22%減)、金額は19億4400万円(同19%増)。サンマ棒受け網漁業は好調を維持し、釜石湾で展開するサクラマス、ギンザケの海面養殖事業も増産体制となり「地元漁業者の力で水揚げの増強が図られる」との明るい兆しが見られた。

関係者は手締めで1年間の豊漁や安全航海を祈願した
一方、主力の定置網漁業では数量、金額ともに落ち込んでいるという。気候変動による海洋環境の変化が水揚げされる魚種や時期に影響し、水産業を取り巻く状況は不透明感を増す。木村会長は「秋サケの不漁は続くと思われ、海面養殖の増産、増強へシフトしていくだろう。サンマ船の積極的な誘致活動にも取り組み、地域経済の発展に貢献していく」と前を向いた。

釜石新聞NewS
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