岩手県若年者技能競技会で知事賞 金浜百果さん(釜石職訓校)「建築業界に貢献を」

小野共市長に入賞を報告した金浜百果さん(中)
2025年度岩手県若年者技能競技会(県職業能力開発協会主催)で入賞した釜石市平田の釜石高等職業訓練校建築設計科2年の金浜百果さん(27)=エイワ=が3日、小野共市長に喜びを報告した。金浜さんは金賞に加え、最高賞の県知事賞を獲得。「建築業界に貢献できるよう頑張りたい」と力を込めた。
同競技会は11月5日に矢巾町の盛岡地区勤労者共同福祉センターで開かれた。木造建築、建築設計、配管、自動車整備の4部門に県内各地の訓練校から82人が参加。釜石校からは2人が出場した。

県若年者技能競技会で金賞と県知事賞を受けた金浜さん
報告には、釜石校を運営する釜石職業訓練協会の青木正紀会長(青紀土木会長)、訓練生派遣事業主としてエイワ(釜石市平田)の佐々木強代表取締役らが同行した。釜石校の指導員で競技会の競技委員も務めた小山守雄さんが当日の様子や審査方法などを説明。金浜さんは10人が出場した建築設計科2年の部で、4時間の競技時間内に手書きの建築設計図を作成する課題に挑んだ。

学校関係者らと市役所を訪れ、結果を報告する金浜さん
県知事賞は各科の最高学年の部から選ばれ、同校が獲得したのは19年以来。金浜さんは「正直、びっくり。素直にうれしい」と目を大きくした。課題は3カ月ほど前に知らされ練習を重ねたが、一度も時間内に終えることができず「不安が多々あった」。講師らの粘り強い指導もあって本番で強さを発揮し、残り10分で見返す余裕も。「誰が見ても見やすい、分かりやすい図面を心がけて書くことがでた。先生方、通わせてくれた会社の皆さんのおかげでとれた賞です」と感謝した。

競技会で仕上げた建築設計図を手に笑顔を見せる金浜さん

手書きの建築設計図。「きれいに、丁寧に」と心がけた
週1で同校に通い、ほかの日は同社建築部門の広報担当としてSNS(交流サイト)などで情報を発信している金浜さん。商業系の高校卒で、建築について学んだり設計図を書いたりするのは同社に入ってから。知らないことを覚える楽しさを感じながら働いている。
そんな金浜さんの次なる目標は、2級建築士の資格取得。「お客様に住宅を提案することがあったらフリーハンドで図面を書いて、丁寧に説明できたらいいな」と近い未来を想像する。思いがけず得た学ぶ機会は、さらなる成長への意欲を刺激。山田町出身で、「地元の復興にも生かせられたら」と思い描く。

金浜さんを囲み、小野市長らが受賞をたたえた
小野市長は「今回の受賞は働く若手の励みになるもの。釜石の産業、ものづくりを伝えてほしい」と祝福した。青木会長は企業による訓練校への生徒派遣が難しいという近年の状況を説明しつつ、久々の明るい話題に「わが校としてうれしい限りだ」と歓喜。佐々木代表取締役は「受賞を機に建築士の資格取得や会社の実務に当たってもらい、スキルアップしてほしい」と期待した。

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