野菜ってどうやってできるの? かまいしこども園児がわくわく苗・種植え 収穫を楽しみに…


2025/05/14
釜石新聞NewS #子育て

野菜の苗を植え、これからの成長を楽しみにする園児=8日、かまいしこども園

野菜の苗を植え、これからの成長を楽しみにする園児=8日、かまいしこども園

 
 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児79人)で、園児による野菜作りがスタートした。普段食べている野菜の成長の過程を知り、植物を育てる楽しみや食への関心を高めてもらう取り組み。本年度は元釜石市地域おこし協力隊員で兼業農家の三科宏輔さん(29)を菜園学習講師に迎え、3~5歳児クラスの47人が6種の野菜を育てる。
 
 8日、同園で行われたのは野菜の苗や種を植える作業。始めに講師の三科さんはトマトの苗を手にしながら、「野菜も小さい種から成長して大きくなる。みんなで観察しながら一緒に育てていこう」と園児に呼び掛け。「いつもありがとう」「大きく育ってね」など、やさしい言葉をかけると元気に育つことも教えた。
 
作業の前に講師の三科宏輔さんがトマトの成長過程を説明

作業の前に講師の三科宏輔さんがトマトの成長過程を説明

 
 3歳児が育てるのはトマトとピーマン。各4本の苗を2人1組でプランターに植え付けた。三科さんは「トマトには水をやりすぎない」ことなど栽培のポイントを伝授。「虫も野菜を育てるお手伝いをしてくれている」と話し、8月の収穫までの間、葉や虫の観察も行っていくことを伝えた。
 
ピーマンの苗を植える3歳児クラスの園児。根本にたっぷり土をかける

ピーマンの苗を植える3歳児クラスの園児。根本にたっぷり土をかける

 
自分たちで植えた苗に「大きくな~れ」と声掛け。これから毎日のお世話も頑張る

自分たちで植えた苗に「大きくな~れ」と声掛け。これから毎日のお世話も頑張る

 
 4歳児はナスと枝豆を植えた。まずは土壌作りから挑戦。プランターの底に水はけを良くするための小石を敷き詰め、培養土を入れた。ナスは苗4本、枝豆は種から育てる。園児らはふかふかの土の感触も味わいながら作業を進めた。土で汚れた手指を広げる園児に、「土の中にはいろいろな菌がいて、野菜の成長に重要な役割をしてくれる」と三科さん。植え付けを終えた水谷暖月ちゃん(4)は「楽しかった。豆が小さくてかわいかった。早く食べたいから、大きくなっていっぱい実をつけてほしい」と収穫を心待ちにした。
 
4歳児クラスはプランターの準備から。鉢底石を入れて(左)から培養土を投入(右)

4歳児クラスはプランターの準備から。鉢底石を入れて(左)から培養土を投入(右)

 
枝豆の種を植える。土に指で穴をあけ、1~2粒入れてそっと土をかぶせた

枝豆の種を植える。土に指で穴をあけ、1~2粒入れてそっと土をかぶせた

 
 5歳児は園庭に設けられているミニ菜園でニンジンとジャガイモを植えた。半分に切った種イモの断面に腐敗防止の灰を付け、土の上に置いてさらに土をかぶせた。ニンジンは種をまいた。講師の三科さんはこれから1週間に1回、園を訪れ、園児たちと一緒に成長の具合を見ながら、必要な世話をしていくという。園児らが育てた野菜は給食の食材に活用される。
 
5歳児クラスは園庭の一角にある菜園にジャガイモを植える。最初にスコップで土を掘り起こした

5歳児クラスは園庭の一角にある菜園にジャガイモを植える。最初にスコップで土を掘り起こした

 
灰をつけた断面を下にして種イモを置く(左)。夏の収穫までにどれくらい育つかな?

灰をつけた断面を下にして種イモを置く(左)。夏の収穫までにどれくらい育つかな?

 
 キリスト教の精神を保育に取り入れる同園では、命を大切にする心を養うことも教育の柱の一つ。藤原園長は「人間だけではなく、動物や植物にも命があることを常々教えている。野菜を育てる過程で、そうした部分も感じてもらえれば。できた野菜をいただくことで感謝の気持ちも芽生える。少しでも心に残る活動になれば」と願う。同園では20日に、初の試みとなる田植え体験も予定している。

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