見て感じた「いいな」の声 創作の力に 釜石の絵画グループ・彩美会 36回展
個性あふれる作品が並んだ第36回彩美会展
釜石市の絵画グループ「彩美会」(小原孝夫会長、会員14人)は19日から21日まで、大町の市民ホールTETTOで36回目の作品展示会を開いた。全会員が1~11点の作品を出展し、講師の佐々木實さん(二科会会友)の5点を加えた72点を展示。思いを込めた作品を見てもらう喜びに“のせられた”会員らは次なる作品に取りかかる意欲を高めた。
彩美会は具象画を中心に取り組み、モチーフは市内外の四季折々の自然風景、動植物、人物、地域文化・芸能、静物などさまざま。油彩や水彩、パステル、クレヨン、色鉛筆など多様な技法を用いた力作が並んだ。
多様な技法で描かれた作品を興味深げに鑑賞する来場者
流木を使ったオブジェも来場者の目を楽しませた
隣町の大槌町から参加する上野宏明さん(72)は、1年かけて仕上げた油彩画「秀麗早池峰山」など7点を出品した。誘いを受け加入して7年目。もともとの趣味だった写真とは違った視点、構図を求められる絵の奥深さに「はまった」という。撮影したものをキャンバスに残そうと「必死にもがきながら描き、指導を受けて雰囲気が出できた感じ」と控えめながら成長の手応えもある。これからは好きな山登りや散歩の途中で心揺さぶられる風景をその場でスケッチするのが目標。「スケッチブックが相棒になったら最高。絵に込めた思いを自由に感じ、いいなと思ってもらえたらうれしい」と目を細めた。
心を動かされた雪景色を表現した「秀麗早池峰山」を見つめる上野宏明さん
40代から90代までの会員らは個々に創作に励んでいるほか、月2回、定内町3丁目のひまわり集会所で勉強会を開いている。高齢の会員が多いが、小原会長の口癖「歳は奪い取るもの!」のもと、会員らは明るく元気に活動。和気あいあいと笑い声の絶えないグループの特徴は「互いの良いところを見つけて褒め合う関係性」と声をそろえる。「のせられているという感じもあるけど…。また描こうという気持ちになるよね」と笑顔も重ねる。
仲間と共に創作活動を楽しむ彩美会の会員ら
事務局の千葉幸子さん(71)は「佐々木先生は形を押し付けず、個性に合わせて指導してくれるので、絵を描いている時間が楽しい。展示された作品には、その人ならではのワールドがあるでしょう」と、うれしそうに会場を見回した。集まりへの参加は都合のいい時だけ―。「ある時は真剣に絵を描き、ある時間はおしゃべりを楽しむ会」に興味を持ち、仲間が増えることを期待していた。
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