守る!アユ育つ自然環境 釜石・甲子川へ稚魚放流 釣り解禁は7月上旬
アユの稚魚を放流する甲子川鮎釣協力会メンバーら
釜石市の中心部を流れる甲子川に今年もアユの稚魚が放たれた。河川環境を守るため、甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)、甲子地域会議、クボタ環境エンジニアリングの3者が協力して継続する取り組み。11日、稚アユ約3万匹(総重量約300キロ)が川中で元気に泳ぎ出した。釣り解禁日は7月2日。「たくましく育って」と送り出した関係者らによると、水温が安定し、極端な大雨などがなければ、20センチほどに成長した姿がみられるという。
松倉橋そばの甲子川で放流作業。バケツで静かに送り出す
元気いっぱいの稚アユ(右下写真)が勢いよく泳ぎ出す
この日の作業には同会メンバーら約50人が参加した。体長10センチほどの稚魚を甲子町洞泉から中妻町までの区間、約20カ所に放流。釜石高裏の松倉橋付近ではバケツやホース使って川に放つと、跳びはねるなどして瞬く間に泳ぎ去った。
稚魚を入れた水槽が搭載されたトラックからホースを延ばして放流
河川漁協がない甲子川は、誰でも自由に釣りを楽しむことができる。入漁料を徴収しないため、稚魚の放流は同会に寄せられる釣り人らの善意で続けられている。今年も、そうした協力金を使って、大船渡市の盛川漁協から稚魚を購入した。事業費は約115万円。
安久津会長(82)は「ここは農業排水などの流入がない自然のままの川で、アユの味日本一になったことも。魚が住む環境を維持していきたい。元気に、たくましく育ってほしい」と期待。稚魚の成育のため、6月1日から全魚種が禁漁となるが、「ここは市民の川。マナーを守って、その時が来たらみんなで楽しい釣りをしてほしい」と呼びかける。
「たくましく育ってこい」。期待を込めつつ、かわいい稚魚を放つ
鵜住居川では一足早く7日に約400キロを放流した。同様に6月は禁漁となり、解禁は7月9日。釣りには河川漁協の組合員証か遊漁券が必要となる。
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