冬の星空、見上げてごらん 釜石・こどもエコクラブ 観察会で星座さがし楽しむ
釜石市鉄の歴史館前で夜空を見上げて星空観察を楽しむ子どもたち
自然の中での体験活動を通して学び、環境保護の意識を育む「こどもエコクラブ」(釜石市主催)は2月18日、大平町の市鉄の歴史館で冬の星空観察会を開いた。本年度5回目の活動。市内の小学生約30人とその家族ら計約60人が参加し、冬の星座や星の輝きを楽しんだ。今回は最終回でもあり、身近な自然に理解を深めた子どもたちに修了証を授与。市では来年度も継続する方針で、子どもたちは「楽しくて不思議なことがいっぱい。もっと知りたい」とワクワク感を維持させる。
日中、曇り空だったため、鉄の学習に変更。講師の大久保孝信さん(元市職員)が同館を案内した。市世界遺産課主査の髙橋岳さんは、鉄と宇宙の神秘を感じさせる展示物「ギベオン鉄隕石(いんせき)」を紹介。展示ケースから取り出して、じかに触れてもらう特別な体験も用意した。
大久保さん(左)の案内で鉄の学習に取り組む子どもたち
「ギベオン鉄隕石」に触れ、宇宙に思いをはせる体験も
会が終わるころにはすっかり雲が晴れ、夜空にはたくさんのキラメキが。普段から星空観察を楽しんでいる大久保さんが「南の空を見てみよう」と、子どもたちを施設の外に誘い出した。輝く星々を示しながら、宇宙の知識を解説。冬を代表する星座オリオン座、その1等星ベテルギウスはおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンと「冬の大三角」を構成し、その姿を確認した。
歴史館の駐車場から見上げた星空
静態保存されている蒸気機関車とパチリ「銀河鉄道⁉」
オリオン座のやや西には、おうし座の1等星アルデバランが赤く輝く。冬の星空には1等星が多く、ほかの季節に比べてもにぎやかだと大久保さん。「1等星たちを結んで、いろいろな形を楽しみながら星座を見つけてみて。冬のダイアモンドもあるよ」などと夜空を見上げる楽しさを伝えた。
本年度のエコクラブは児童43人でスタート。全5回の活動を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で1回中止となった。修了証は、1回以上参加した37人に贈られた。
「見えた」。子どもたちは望遠鏡をのぞき込んで歓声を上げた
自前の望遠鏡を持ち込んだ根元璃玖君(釜石小3年)は「見えるよ、星」と感激。エコクラブの活動は毎回参加していて、「ホタルを見たり、釜石湾で船に乗ったり、イカの解剖もした。みんな楽しかったし、不思議でいっぱい調べて、いろんなことが分かった」と胸を張った。残念だったのは、昆虫採集が中止されたこと。エコクラブの活動が続くとしたら、「参加したい」と手を挙げた。
本年度の活動を終え、修了証を手にした子どもたち
市まちづくり課の平野敏也課長は「自然の中でさまざまなことを経験し、地域を知り、環境について勉強することは子どもたちの成長に役立つ」と意義を強調。昨年実施の第15回「かまいし鉄の検定」でエコクラブ出身者が満点を取るなどの実績も紹介する。次年度の実施を見据え、「エコクラブ出身の中学生がサポート役で参加したり、学びを継続できるような取り組みも考えたい」とした。
釜石新聞NewS
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