海の生き物とふれあい体験 県水産技術センター(釜石・平田) 公開デーで理解促す
ワカメの芯抜き作業を体験する親子ら
海や水産について理解を深めてもらおうと、釜石市平田の県水産技術センター(神康俊所長)は23日、「公開デー」として庁舎を一般開放した。三陸沿岸に生息する魚介類、養殖水産物などを展示して同センターの研究内容を紹介。子ども連れの家族が多く訪れ、海の生物とのふれあい体験を楽しんだ。
カラフルな魚拓やペットボトルを使った顕微鏡づくり、塩蔵ワカメの芯抜き作業体験などのコーナーが並んだ。地域未利用資源を活用した食品技術の開発やフィードオイル(魚油)などを添加した餌によるサケ稚魚の成長促進についての研究などをパネルで紹介。県が誘致を目指している超大型加速器、国際リニアコライダー(ILC)に関する展示コーナーも設けられた。
公開された漁業指導調査船「岩手丸」
家族連れらが船内見学を楽しんだ
漁業指導調査船「岩手丸」(154トン)も公開。船内には海洋の水温調査、底引き網漁での魚種調査などで活躍する最新鋭の観測・漁労装置が並び、乗船した人たちは興味深そうに眺めた。備えられた機器や用具に触れたり使い方を聞く子どもたちの質問に答えたりした村上孝弘船長(53)は「将来一緒に働いてくれたら」と期待を込めた。
カラフルな魚拓づくりに挑戦する子どもたち
ウマヅラハギの魚拓づくりに挑戦した佐々木祷吾君(平田こども園年長)とお手伝いした弟祷羽君(同年少)は「うまくできた。楽しかった」と喜んだ。2人の兄祷気君(平田小2年)は、ウニやホタテなどをかたどったシールで海の生き物マップを作り上げて満足げ。漁師の父親を「かっこいい」と自慢し、なじみのある海や魚について「もっと勉強してみたい」と意欲を見せた。
公開デーは「海の日」に合わせて行ってきたが、ここ数年は新型コロナウイルスの感染防止対策のためウェブ公開など代替え企画で施設を紹介。直接体験イベントを楽しむ形での開催は3年ぶりとなった。神所長は「センターの取り組みをより分かりやすく伝えることができる。魚、海、水産、環境など何かに興味を持ってもらうきっかけになれば」と望んだ。
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