夢への進路 社会人に学ぶ 釜石商工高でキャリア教育授業・釜石コンパス


2022/05/30
釜石新聞NewS #文化・教育

釜石商工高で行われた釜石コンパス。生徒たちは講師の話に熱心に耳を傾けた

釜石商工高で行われた釜石コンパス。生徒たちは講師の話に熱心に耳を傾けた

  
 釜石商工高(伊東道夫校長、生徒201人)で24日、社会人から多様な生き方や価値観を学ぶキャリア教育授業「Kamaishiコンパス」が行われた。3年生87人が、先輩から働く喜びや心構えなどを聞き取り。対話を通じて将来・進路を考えた。
  
 製造業や水産加工業、福祉施設、薬局など市内7事業所の社会人8人による対面型講座のほか、保育士2人とつないだオンライン講座を用意。生徒は関心のある講座を1つ選んで、講師を囲み、進路や将来を決めた転機、現在の仕事のやりがいなどを聞いた。
 
講師には釜石商工高卒業生も。後輩たちに進路選択のヒントを伝えた

講師には釜石商工高卒業生も。後輩たちに進路選択のヒントを伝えた

 
 同校では3年生の8割が就職を希望。地元で働くことを望む生徒も多いというが、職種を決めることができずにいたり、進路に迷いを持つ生徒も少なくない。同校OGで日鉄テックスエンジ東北支店に入社4年目の八幡千夏さん(21)も進路選択で困った経験があり、気になる企業や自分に合う仕事の探し方を助言。自ら進んで調べたり、周囲の大人の意見に耳を傾ける姿勢が必要だと指摘した。高校時代には学んでいない電気設計という業務に携わるが、▽地域に貢献できる▽新しいことに挑戦できる―と前向きに捉えることも大事と強調。高校時代にやっておくこととして、「やっぱり勉強はした方がいい。特に数学。やったことはいつか役立つ場面がくる。必ず生きてくるので、いろんな知識を増やして」と伝えた。
 
 総合情報科の阿部紅愛(くれあ)さんは、「やりたいことはあるが自分に合っているか」と迷いを抱える。希望する職種について「大変だよ」と聞いたことが、足踏みさせているという。講師の「自分で人生を楽しくすることが大事」とのアドバイスが印象に残ったといい、「とりあえず、やってみようと思う。県外に就職して、いろんなものにも触れてみたい」と刺激を受けた。
 
社会人との個別対話は生徒の不安や悩みを和らげる機会に

社会人との個別対話は生徒の不安や悩みを和らげる機会に

 
 講師と1対1で向き合う時間も設けられ、生徒たちは積極的に質問を投げかけた。地元で高齢者と関わる仕事をすると決意を固めたのは機械科の鈴木瑛斗君。「人と話すのが好きで、楽しく働ける仕事だと思う。今のうちからコミュニケーション力を磨き、準備していく」と意欲を高める。趣味の釣りや幼少期から続けるラグビーを楽しめる環境に愛着を持ち、「家を守り、地域を担える人に」と未来を描く。
  
 同授業は釜石市と、市内の高校や民間団体で構成する実行委員会が連携して取り組む高校生のキャリア構築支援事業。生き方やキャリアの多様性を知り、視野を広げてもらおうと、2015年度に始まり8年目。本年度は同校と釜石高で計7回実施することにしている。

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム


釜石のイベント情報

もっと見る

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス