釜石の春終盤 青ノ木の八重桜 濃桃色の花が世界遺産「橋野鉄鉱山」に彩り
橋野鉄鉱山に通じる道路沿いの緑地で咲き誇る八重桜=7日
釜石市橋野町青ノ木の世界遺産「橋野鉄鉱山」に通じる“桜ロード”は、シーズン最後を彩る八重桜が開花。山の緑や青空に映える美しい濃桃色の花が訪れる観光客の目を楽しませている。地元住民組織・橋野町振興協議会が開花に合わせて行う八重桜まつりは新型コロナウイルス禍のため、今年も例年規模のイベントは中止するが、14、15の両日は出前産直、キッチンカー(14日のみ)の出店が予定される。
同所の八重桜は1980年代に釜石ライオンズクラブが植樹。橋野鉄鉱山が世界遺産登録された2015年には、同協議会による新たな植樹が行われ、若木も花を咲かせている。例年5月10日前後に咲き始めるが、今年は若干早め。5日はつぼみ状態だったが、市内の最高気温が28度を記録した6日に一気に開花。7日午後には7部咲きまで進み、地元住民も驚くスピードで咲きそろった。
橋野鉄鉱山への観光客を見事な並木が出迎える
7日午後には7部咲きに。この時期としては高い気温の影響か?
大型連休終盤の7日は市内外から観光客やレジャー客が訪れ、並木の下を散策したり記念撮影したりする姿が見られた。近くにはターザンロープや滑り台などの遊具もあり、親子連れなどが楽しい時間を過ごした。
唐丹町の岩澤克也さん(42)は長男快翔君(7)、次男駈琉君(2)と“密”を避けて遊べる場所を求めて来訪。「桜がきれい。気持ちいい!」と喜ぶ快翔君。今年3月、約20年ぶりに愛知県からUターンした克也さんは「釜石出身だが橋野に来るのは初めて。ここが八重桜の名所というのも知らなかった」と思わぬ発見に笑顔を広げ、子どもたちがのびのびと遊ぶ様子を見守った。
美しい花を咲かせた桜に子どもたちも笑顔満開!
同所の八重桜は植樹から40年近く経過するが、同協議会が毎年、剪(せん)定などの手入れを行ってきたことで花勢は保たれ、花見スポットとしての人気も高い。橋野鉄鉱山インフォメーションセンターのスタッフによると、ここ数年で八重桜を目的に同所を訪れる人が急増。コロナ禍も拍車をかけ、自然空間の癒やしを求める人たちが足を延ばす。
青空が広がった7日は市内の家族連れを中心に見物客が次々と訪れた
花は大雨や強風に見舞われなければ、今週末までは持ちそう。世界遺産と八重桜、この時期ならではの魅力を味わってみてはいかが?
釜石新聞NewS
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