退任の地域会議議長に感謝状 釜石市、地域貢献ねぎらう
地域づくりに力を注ぎ感謝状を贈られた澤田さん(右から2人目)
釜石市は22日、地域会議議長退任者3人に感謝状を贈った。市役所で行われた贈呈式には、みなとかまいし地区会議長を2017年6月~21年6月まで、2期4年務めた鈴子町の澤田政男さん(73)が出席。野田武則市長は労をねぎらいつつ、「これまでの経験と知識を生かし、後継者の指導をお願いしたい」と期待した。欠席した鵜住居町の花輪孝吉さん、橋野町の和田松男さんには後日、市職員が訪問し感謝状を贈った。
地域会議は、市民参加型のまちづくりを進めるために市内を8地域に分けて組織。それぞれの会議では構成員の地域住民らが地域の問題を考え、解決策を見いだし実践、意見や要望を行政施策に反映させている。
みなとかまいし地区会議は市東部地区(鈴子町~嬉石町)の住民らで構成。東日本大震災の津波で被災した地域だが、市中心市街地でにぎわいの拠点でもあり、多くの復興公営住宅が建設された。既存町内会の住民と復興住宅入居者の関係づくりが課題となっていて、澤田さんは餅つきイベントやごみ拾いウオーキングなどを企画開催し住民の融合・交流促進を図った。
「住民の交流維持には地道な活動が必要」と振り返った澤田さん
澤田さんは「被災した地域と免れた地域が混在し、とまどいもあった。イベントの企画や運営は得意で、何とか交流するきっかけを作ろうと考えた。次の世代が続けられるよう見守っていきたい」と目を細めた。
花輪さんは13年6月~21年5月まで、4期8年務めた。震災で被災した鵜住居地区の復興に向けて尽力し、郷土芸能による地域活性化の支援、中学3年生を対象にした学習サポート事業を展開。19年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、のぼり旗や看板の設置、おもてなしを学ぶタウンミーティングの実施など機運醸成にも力を尽くした。
和田さんの在任期間は17年6月~21年7月までの2期4年。台風で被害を受けた栗橋地区の河川整備などの復旧活動、大雨・洪水対応の避難施設の設置に向けた提案、県道整備の要望活動などに力を注いだ。世界遺産「橋野鉄鉱山」関連施設の保存に向けた修繕なども実施。食の文化祭、四季まつりなど地域を活性化させる行事にも積極的に協力した。
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