釜石の食文化「かまもっち」で発信、小島製菓 地域活性化起業人が開発協力


2021/12/24
釜石新聞NewS #産業・経済

釜石銘菓にと、小島製菓が売り出した「かまもっち」

釜石銘菓にと、小島製菓が売り出した「かまもっち」

 

 釜石市上中島町の菓子製造販売・卸業「小島製菓」(菊地広隆社長)は、釜石地方の郷土菓子として知られる「かまだんご」から着想を得た新商品「KAMA MOCCHI(かまもっち)」を発売した。地域活性化起業人として総合食品メーカー江崎グリコ(大阪市)から釜石市に派遣されている大窪諒さん(31)が開発に協力。餅という和の伝統食文化を生かしつつ、発酵バターを使って洋風の要素も取り入れ、「どこか懐かしいけど新しいお菓子」とPRする。

 

 かまもっちは、クルミと黒蜜のジュレを求肥(ぎゅうひ)で包み、さらに発酵バターを練り込んだ生地でくるんだ焼き菓子。バターの風味が香る、モチモチとした食感が特徴だ。クルミや黒砂糖を練ったあんを小麦粉などの皮で包んでゆで上げた「かまだんご」をモチーフにした。

 

完成報告を受け、かまもっちを試食する野田市長ら

完成報告を受け、かまもっちを試食する野田市長ら

 

 13日、菊地社長(39)と大窪さんが釜石市役所を訪れ、商品完成を市関係者に報告。試食した野田武則市長は「面白い食感。おいしい。釜石銘菓として定着するよう販売に力を入れてほしい」と期待した。

 

 餅を味わう岩手の食文化を生かした新しい商品をつくろうと考えたのは、今年3月ごろから。5月、本格的に開発を始めたが、モッチリとした求肥をモチモチ食感の生地で包むことや、ジュレの中に固形物のクルミを入れるのが難しく試行錯誤を重ねたという。菊地社長は「自社が持つ性質を生かし、新しいものを生み出す機会になった。しっかり売っていきたい」と力を込めた。

 

開発の経緯を伝える大窪さん(左)と菊地社長

開発の経緯を伝える大窪さん(左)と菊地社長

 

 明るい黄色を基調としたパッケージデザインも目を引く。開発を支援した大窪さんは「家族のティータイム、大切な方へのお土産など、幅広い年代の人に楽しんでほしい」とアピールする。

 

 同起業人として20年7月に着任した大窪さんは、地元企業と釜石の魅力を伝える商品開発に取り組み、イカを丸ごと味わえる晩酌セットや海の幸たっぷりの冷凍パエリア、三陸ジオパークをPRする弁当などを手掛けた。グリコ製品を活用した子どもたちへの食育活動も展開。今月末で任期を終えるため、かまもっちが最後の共同開発品となった。「地域のさまざまな人と関わり、いろんな業務に携わることができた。食を通し、たくさんの笑顔に出会えた」と充実した表情を見せた。

 

バターが香るモチモチ食感の生地でぎゅうひ、黒蜜、クルミを包んだ焼き菓子「かまもっち」

バターが香るモチモチ食感の生地でぎゅうひ、黒蜜、クルミを包んだ焼き菓子「かまもっち」

 

 かまもっちは1箱5個入で1080円。道の駅釜石仙人峠、盛岡市の大地館(盛岡駅2階)、東北めぐり・いろといろ盛岡店(JR盛岡駅ビル・フェザンおでんせ館1階)などで販売しているほか、年明け以降は「岩手釜石オンラインショップ」でも注文を受け付ける。 

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