復興住宅の寄松さん100歳「今が一番充実」~釜石市、長寿を祝い記念品


2021/12/02
釜石新聞NewS #医療・健康

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

 

 釜石市は11月22日、只越町の復興住宅で暮らす寄松みささんに満100歳の特別敬老祝い金(5万円)と記念品の羽毛掛け布団、野田武則市長が筆をとった「寿」の額入り祝い状を贈った。寄松さんは「忙しいのに(来てもらって)、ありがとうございます」と感謝した。

 

 寄松さんは1921(大正10)年11月20日、青森県十和田市に生まれた。釜石・小川町出身の故幸一さん(享年64)との結婚を機に20歳代後半に釜石へ。樺太(現ロシア・サハリン)からの戦後引き揚げ者だった幸一さんが始めた飲食に関する事業などを手伝いながら、2男1女を育てた。50歳代になると、孫5人、ひ孫2人の成長を見守る生活が中心に。もともと手先が器用で、趣味の裁縫をしながら穏やかに暮らした。

 

 2011年の東日本大震災では津波で港町の自宅を失った。天神町の避難所、仮設住宅での生活を経て、約5年前に現在の復興住宅に入居。持ち前の明るい性格で不便な生活を苦にせず、お茶っこサロンなど人が集まる場に積極的に参加してきた。同居する長女久美子さん(69)は「(母は)いつも誰かのために過ごしてきたが、震災後は自分の時間を楽しむことができるようになった。被災して過去のものは失ったけど、人との出会いに恵まれた。交流が生きがいになり、今が一番充実して楽しいそう」と柔らかなまなざしを向ける。

 

100sai_0「こんなに長生きするなんて。いい思い出になったね」と寄松さんに寄り添う久美子さん(右)

「こんなに長生きするなんて。いい思い出になったね」と寄松さんに寄り添う久美子さん(右)

 

 寄松さんは8月に脳梗塞を患い、現在は車いす生活を送る。訪問した市高齢介護福祉課の山﨑教史課長が「市内には100歳以上の先輩が30人いる。これからも、ますますお元気で」と声を掛けると、寄松さんは「100歳まで生きるのは大変なことだよ。元気ならいいけど、寝たきりはやだね」と応じるなど健在。人をもてなすのが大好きだといい、「座ってください。煮しめとか食べて。ビールでも飲んで」と世話焼きの面も見せていた。

 

 釜石市の高齢化率(65歳以上)は9月末現在で40%。100歳以上は寄松さんが31人目で、最高齢は105歳の女性。

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