県立釜石病院建て替え・分娩確保など 釜石市 県に15項目要望


2021/09/09
釜石新聞NewS #医療・健康 #地域

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

 

 釜石市は8月27日、県沿岸広域振興局に対し、▽県立釜石病院の感染症病棟を含めた建て替え整備▽釜石保健医療圏における普通分娩の確保▽土砂災害などの対策事業促進による安全・安心なまちづくりの推進▽釜石港の国際貿易拠点化に向けた着実な整備促進・機能強化▽市内高校ラグビー部強化に向けた取り組み―など15項目を要望した。

 

 県の来年度予算編成に向けた市町要望は新町の釜石地区合同庁舎で行われ、市側は野田武則市長、木村琳蔵市議会議長、担当部長らが出席。沿岸振興局側は森達也局長、葛尾淳哉副局長らが応じた。

 

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

 

 野田市長は「要望項目は重要な案件ばかり。特にも釜石病院の分娩休止は妊婦の思いに寄り添って対応していく必要があり、建て替えについては具体的なところに入っていきたい。必要な医療資源を取りまとめていくので、思いをくみ取ってほしい」などと支援を求めた。

 

 木村議長は「医療はまちづくりの核。大事な基幹病院である県立釜石病院の機能確保を」と重ねて要請。高橋勝市教育長は「新型コロナウイルス感染症がもたらす社会的影響により、子どもたちの不安感も多くなると予想される」とし、児童・生徒の心のケア対策としての臨床心理士、スクールソーシャルワーカーの継続的な派遣を求めた。

 

 市の要望に対し、森局長は「釜石地域の振興に不可欠、基礎的な項目で、実現に向け努めていきたい。本庁に投げかける時に具体的な内容を教えていただければ後押ししやすい。一日でも早く前に進めていけるようにしたい」と理解を示した。

 

 担当部長らが各項目に対する具体策を回答。県立釜石病院の整備計画について、「建て替えと既存施設を改修した場合の投資規模や効果、県立病院全体の経営に及ぼす影響などを考慮し、検討を進めていく」と述べるにとどめた。分娩の確保については「大船渡病院と役割分担しながら産前産後ケアの充実や相談体制を構築し、妊産婦検診や婦人科外来を行う。市町村と連携し周産期医療の充実に努め、釜石地域の妊産婦を支えていきたい」とした。

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