海辺の生き物に歓声!「こどもエコクラブ」平田の磯場で観察会
岸壁の潮だまりで海の生き物探し=平田漁港
子どもたちが身近な自然に親しむことで、環境意識高揚を図る釜石市の「こどもエコクラブ」は7日、本年度初の体験学習で、海辺の生物観察を楽しんだ。県の「特別採捕許可」を受け、ペットボトルのしかけで生き物を捕獲。個体観察を行った後、海に放した。子どもたちは小さな命の営みに感激し、自然環境を守る大切さを学んだ。
市内の小学生ら25人が参加。平田漁港に近い磯場が観察場所となった。市内で漁業体験や海洋教育のコーディネートを行う任意団体「すなどり舎」の齋藤孝信代表(60)が講師を務め、2カ所で生物観察を行った。岸壁の突端にできた潮だまりでは、海草などに隠れたイソガニ、ヤドカリ、ハゼの幼魚を確認。小さなカニは手にとって観察した。
「何か動いた!」潮だまりに目を凝らす子どもら
小さなカニがたくさん見つかったよ!!
続いて、大きな岩や石が転がる海岸線を移動し、杉ノ浜手前の観察ポイントに向かった。ここでは、子どもたちが手作りしたペットボトルのしかけにえさとなるサンマの切れ端を入れ、岩の陰などに沈めて、生き物が入るのを待った。この捕獲法は県の特別許可、釜石湾漁協の同意を得て実施した。
手作りのペットボトルのしかけを海に投入。この日だけの体験
約20分後、しかけを引き上げると、中にはイワガ二、ヤドカリのほか〝思わぬ珍客〟クサフグの姿が。子どもたちは掛かった生物をじっくり観察。中には卵を抱えたカニもいて、目を輝かせながら見入った。イカの短冊を付けたひもを岩の陰などに垂らし、カニ釣りにも挑戦した。
「何か入っているかな?」ペットボトルの中をのぞき込む子ども
捕れたカニやフグを手に笑顔満開!観察後は「元気でね」と海に放した
ペットボトルのしかけにフグが掛かった久保伶奈さん(双葉小5年)は「最初は生き物が入るとは思わなかったので、実際に入ってびっくり。釜石は自然がいっぱい。これからも触れ合っていきたい」と話した。
宝田明香里さん(小佐野小4年)、弟の空大(たかひろ)君(同1年)は昨年、仙台市から移住し、初めての釜石の夏を満喫。空大君は「カニを8匹捕まえた。いろんな生き物がいる海が好き」とご満悦。明香里さんは「カニは小さかったが、爪が鋭かった。生き物を守るには、人間が海にごみなどを投げ込まないことが大切。自分も気を付けている」と海洋環境にも目を向けた。
講師の齋藤さんは「震災の影響などで心理的に遠くなっている海を近づける、いい機会。親子で自然の生き物に触れ合う姿はもともとある風景。足元には、まだまだ楽しい遊びがあることを感じてもらえれば」と願った。
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