高校生の地元就職・雇用確保を 釜石市長ら商工会議所に要請
菊地会頭(右)に要請書を手渡す野田市長(右から2人目)、森局長(同3人目)、菊池所長
来春卒業予定の高校生を対象にした企業の求人受け付けが6月1日から始まったのを受け、釜石市、沿岸広域振興局、釜石公共職業安定所は2日、釜石商工会議所に高卒者などの雇用の維持・確保などを要請した。これを皮切りに6月いっぱい、同職安管内(釜石市、遠野市、大槌町)の事業所に同様の要請を行う。
野田武則市長、森達也局長、菊池勝雄所長が同商議所を訪れ、菊地次雄会頭に要請書を提出。新規高卒者などの採用枠の確保や安定的な雇用、多様な人材の雇用の場の確保などを求めた。
要請を受け、菊地会頭は「企業の維持が大変。1000ほどの企業があり、それぞれ思いが違う。求人を出して本当に人が来るか、心配する企業も多い」と説明。同商議所役員らは「事業継続には若い力の育成、技術の継承が必要だ」と前向きな姿勢を見せる一方、雇用確保に向けた動きには行政の協力も必要だとの認識を示した。
高卒者などの雇用確保、採用に向けた地元企業の動向について情報を共有した
同職安によると、今年3月に卒業した管内の高校生の就職希望者152人のうち地元企業に就職したのは92人で、地元就職者の割合は60・5%。一方、来春卒業予定の高校生で就職を希望している140人のうち地元を希望しているのは55人で、全体の39・2%となっている。
少子高齢化が進む中、減少が見込まれる若年労働力の確保と育成は地域にとって不可欠。しかし、同職安が今年4月に行った企業への採用意向アンケート結果では、来春に新規学卒者の採用を予定する企業が昨年度に比べ4割減となっていて、出だしは良くない。業種や職種によっては人手不足が続くほか、企業の持続性や人材育成の面から採用意欲はあるものの、新型コロナウイルス禍で先行きが見通せず、控える傾向がうかがえるという。
菊池所長は「管内に一人でも多く残ってもらえるよう取り組みたい。企業の動きを待つだけでなく、こまめに働き掛けをしていく。希望者が選択肢を広げて活動し、確実に就職できるようにしたい」と強調。求人の高校への公開は7月1日となっており、地元企業に求人票の早期提出を呼び掛けていく考えだ。
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