豪快 マグロ解体ショー〜お年寄り、地域住民に刺し身振る舞う 甲子町洞泉グループホーム
解体したマグロを振る舞い、新たな住民コミュニティーづくりを応援した嵯峨さん
釜石市甲子町洞泉のグループホームさくら(平野泉代表、入所18人)で21日、黒マグロの解体ショーが豪快に行われた。重さ33キロの大きなマグロは余すところなく約200人前の刺し身にされ、ホームのお年寄りや地域住民ら約100人に振る舞われた。
解体ショーで支援したのは、東京・日本橋でマグロを中心に海鮮専門の居酒屋「おさかな本舗たいこ茶屋」を経営する仙台市出身の嵯峨完(みつる)さん(66)。東日本大震災以降、被災地でマグロを提供し、今回の釜石で20回目となる。なじみの客で、嵯峨さんの活動を応援する盛岡市出身の根田芳男さん(53)=モルドバ復興支援協会東京支部=ら仲間と共に訪れた。
マグロは島根県境港港で水揚げされ、東京・築地市場で仕入れた。嵯峨さんはマグロ販売にかかわって50年、独立して33年になる。解体しながら確かな目利きを披露。「おいしいマグロの見極めは腹の肉厚、尾の断面の肉質と、顔。餌を悠々と食べたマグロは優しい顔をしている」などと解説した。
「赤身、中トロ、大トロ、頭などの身だけじゃない。脊髄の軟骨もコラーゲンたっぷり。生きがいいから食べられる」という嵯峨さんの誘いに、女性らは争うように試食した。
コラーゲンたっぷり?マグロのずいを味わう女性
甲子小6年の佐々木美結さんと川原美冴さんは2人前を味わい、軟骨も食べてみた。「マグロは大好き。解体を見たのも軟骨を食べるのも初めて。軟骨もおいしかった」と満足そうに話した。
嵯峨さんは「苦しい時、ふるさzとの仲間に助けられた。私も東北人。被災地に『ガッツ』を届けたい。おいしいものを食べて、喜ばない人はいないから」と語った。今後も2カ月に1回の被災地訪問を続けたいという。
地元住民は「被災した人が一帯に家を建て、アパートに入っている。新しい住民との交流機会を大事に考えている。マグロでみんなが集まった」と、豪勢なイベントを歓迎した。
おさかな本舗 たいこ茶屋
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3