虎舞拠点 改築完了〜浜町 尾崎清友会館、伝承の意欲新たに


2021/03/15
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

新たな練習拠点(正面)の完成を喜び、伝統の虎舞を威勢よく披露する尾崎青友会(台村公園)

新たな練習拠点(正面)の完成を喜び、伝統の虎舞を威勢よく披露する尾崎青友会(台村公園)

 

 釜石市浜町2丁目の台村公園にあった尾崎町郷土芸能伝承施設(通称・尾崎清友会館)の改築工事が完了し、2月28日、現地で落成式が行われた。この施設を拠点とする台村虎舞=尾崎清友会(佐藤真輔会長、40人)が、再建事業を支援した関係者ら約20人を前に、感謝を込めて虎舞を披露。郷土芸能活動のさらなる推進を誓い、まちの安全を祈願した。

  

 木造施設の老朽化に伴い改築。地元の尾崎町町内会(西村征勝会長、50世帯)と共同利用する。鉄筋コンクリート造りの地下1階が集会施設。木造の地上1階部分が会館となる共用施設で、延べ床面積54・5平方メートル。事業費3963万円のうち約2千万円は、機能性食品の通販事業を展開する有限会社毎日元気(本社札幌市、瀧澤潤賜社長)が社会貢献として寄付した。

 

 落成式で野田武則市長は「震災時は住民の避難に活用された。新しい施設が住民に親しまれ、活用されるよう願う」とあいさつ。清友会の佐藤会長(29)は「立派な施設を建てていただき、感謝する。会員一同、一層精進する」と謝辞を述べた。佐藤会長は、野田市長、毎日元気と市の〝橋渡し〟を担う三陸いりや水産(釜石市平田)の宮崎洋之社長に額装した「尾崎清友会」の手ぬぐいを贈った。

  

 毎日元気は震災からの復興支援で、釜石市に高額の寄付を続ける。「釜石よいさ」の復活、唐丹町の大石集会所増築、桜の植樹、世界遺産・橋野鉄鉱山がある橋野町青ノ木の環境整備、仙人マラソンなども支援してきた。

 

 佐藤会長は「会館は畳敷きにしてもらい、エアコンもあって太鼓の管理に最適だ。以前は屋外の公園で練習していたが、今後は室内でもできる。技の伝承に力が入る」と喜びを語った。

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