新緑に響くクリスタルボウル、心癒やす澄んだ音色〜佐々木桐子さん、初の公開演奏


2020/06/23
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

新緑をバックにクリスタルボウルの心地良い音色を響かせる佐々木桐子さん

新緑をバックにクリスタルボウルの心地良い音色を響かせる佐々木桐子さん

 

 水晶でできたヒーリング効果の高い楽器「クリスタルボウル」の演奏会が5月30日、釜石市のふれあい小川産直で開かれた。演奏したのは、中小川在住の佐々木桐子さん(55)。同楽器に魅せられ、1年ほど前から技術を磨く佐々木さんが公の場で演奏するのは初めて。新緑や小川のせせらぎ、鳥のさえずりが心地良い屋外空間で、心身を癒やす澄んだ音色を響かせた。

 

 この楽器は粉砕した水晶をさまざまな大きさの型に入れ、高温で溶解し成型されたもので、仏具のおりんのような形状。音階も設定されている。音を出すマレット(ばち)はスエード、シリコン、ゴム素材があり、円形のふちをたたいたりこすったりすることで鐘のような音が響く。1970年代に米国で生まれ、日本には80年代に持ち込まれた。

 

 佐々木さんは現在、師事する宮城県仙台市の遠藤園子さんの演奏会で初めて同楽器に出会い、感動と衝撃を受けた。何度か生演奏を聞くうちに「自分もやってみたい」との思いが膨らみ、遠藤さんのレッスンに通うように。これまで内輪での演奏会は経験があるが、今回は念願かない、一般客向けの野外演奏会が実現した。

 

 佐々木さんの演奏スタイルは、その場の雰囲気に合わせた即興演奏。「曲を奏でるというよりは和音を楽しむ感覚」と、3種のマレットを操り豊かな音の世界を繰り広げる。

 

 クリスタルボウルから発せられる音(波動)はリラックス効果があり、肉体的疲労や精神的ストレスの軽減に役立つとされる。人の体は70%が水分。波動が体内の水分を振動させ、めぐりを良くするのではとの説もあり、体験者には不眠症や肩凝りが治ったという人もいるという。

 

 この日、演奏を聞いた人からは「体の力が抜けるよう。気持ち良かった」、「いいリラクゼーション」、「体の中から悪いものが流れる感じ」などの声が聞かれた。

 

 佐々木さんは自身が初めて演奏を聞いた時の様子を「緊張している脳が直接もみほぐされていくような感覚」と表現。自分で演奏する時も「1人だと、うとうとすることも」。外部での初演奏会に「質問もいただき、手応えを感じた。いいロケーションの中で自然と一体となって演奏できた」と喜んだ。

 

 同演奏会は、7日にも甲子町洞泉の「陽子の庭」で開かれた。

 

(復興釜石新聞 2020年6月13日発行 第890号より)

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