山の王者「クマ」パチリ〜観光ガイドの三浦さん、橋野町で
ツキノワグマの写真を撮影した三浦勉さん
豊かな自然が残る釜石市橋野町で長年、動植物の写真を撮り続けている野田町の三浦勉さん(68)は、県道釜石遠野線近くの山際でツキノワグマの撮影に成功した。橋野町青ノ木出身で山歩きが趣味という三浦さんは、これまでにもクマの写真を何度か撮っているが、「今まで見た中でも特別大きい」と、山の王者の貫録に驚きと感動を口にする。
撮影したのは17日午前8時ごろ。釜石観光ガイドを務める三浦さんは、車で世界遺産「橋野鉄鉱山」に向かう途中、何げなく目をやった進行方向右手の山に〝黒いもの〟を発見。車を停めて、愛用の一眼レフカメラを手にその姿を追った。
撮影場所は、橋野町早栃の八千代橋から約200メートル下った県道沿いの民家の裏山。車から40メートルほど歩くと、元畑地で今は雑草地となっている所に成獣のクマ1頭がいた。「体長は約1メートル30センチ。雌雄は分からないが、7、8歳ぐらいではないか」と推測する。
辺りを見回しながら、山の斜面を登っていくツキノワグマ=三浦さん撮影
クマは地面に鼻をつけながら歩き、餌を探している感じだったという。三浦さんは夢中でシャッターを切り、16枚を撮影。その間約1分半。クマまでの距離は最も近くて10メートルほどで、途中、クマは三浦さんに気づき、何回か視線を向けたが、威嚇する様子はなく山中に姿を消した。
撮影できた写真の中には〝カメラ目線〟の貴重なショットも。耳の形、目鼻立ち、ツキノワグマの特徴である胸元の三日月型の白い毛がくっきりと写し出され、拡大すると野性味あふれる毛並みも見ることができる。
三浦さんは過去に、橋野の山々で30回近くクマに遭遇。写真に収めたのはこれで8回目で、今年に入ってからは初めて。「冬眠明けの割には体格が良くてびっくり。クマは木の実などを食べるが、春から夏はシドケや山イチゴも好んで食べているようだ」と三浦さん。自身の経験から「(クマには)朝夕、もしくは曇り空の暖かい時に出会いやすい」とも。クマが冬眠で寝床を作ったと見られる場所も見たことがあるという。
(復興釜石新聞 2020年5月30日発行 第888号より)
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