「シルバー釜石」結成10周年、記念誌発行〜高齢の“野球小僧”意気盛ん
野球で健康増進と長寿を誓ったシルバー釜石
2009年に発足した釜石市でただ一つの70歳以上の野球チーム「シルバー釜石」(澤口勇助代表、平野良一監督、24人)は3月25日、結成10周年記念誌発行祝賀会を平田のホテルシーガリアマリンで開いた。OBを含む24人のメンバーが集い、「コロナウイルスに負けず、全国大会で優勝を」と気炎を上げた。
定期総会に続いて開かれた祝賀会で、澤口代表(81)は「野球を愛し、楽しく、けがのないよう練習に励んできた。記念誌により野球人生の1ページを次世代に引き継ぐことができる。それぞれの人生が一層充実するよう願う」とあいさつした。
発足当時から代表6年、監督10年を務めた今入博さん(86)は結成への経緯を振り返り、「全国大会の3回戦以上を目指し、がんばれ」とエールを送った。還暦チームに所属し、シルバー釜石をサポートする千葉栄市議(67)が先輩に敬意を表し、「人生百歳。市内の高齢者の目標となるよう活躍を」と祝辞を述べた。
平野監督(79)の発声で乾杯し、歓談。ステージでの“芸能大会”で、祝い気分を高めた。
初代メンバーのОB、鵜住居町の大里利男さん(81)は少年時代から運動が好きで、鵜住居地域の「盆野球」にも熱中し、少年野球を指導した。一方、鵜住居虎舞の囃子(はやし)方(笛)を担当し、芸能全般にも関心を広げた。釜石ガスで働き、職場の野球チームに参加。退職後、シルバー釜石の創立メンバーとなった。
「実家は農家で、子どものころから野球と芸能が楽しみだった。還暦、古希チームで合わせて20年プレーし、80歳で一区切りした。多くの仲間と知り合い、遠征で日本各地を訪れた。健康に不安もない。野球をしていて良かった」と振り返る。祝賀会では得意の舞踊(股旅物)を披露し、仲間の喝采を受けた。
09年の発足当時は遠野市との混成チームだった。2年前の07年、還暦野球の釜石シックスティーズに所属する今入さん、澤口さんらは北上市を中心とするシルバー岩手にも加入していた。翌08年、釜石に古希チームの結成を決意。人員確保に入ったが、単独チームには至らず、同年暮れ、交流があった遠野クラブと「シルバー釜石」を立ち上げた。連携は2市の距離、震災の痛手を乗り越え4年間続いた。釜石市のメンバーが充実した13年から連携を解消し、単独チームで再出発した。
14年には第8回県古希大会で初優勝。その後は県大会準優勝3回、全日本大会5回、東日本大会1回、北日本大会6回の出場を重ねた。
10周年記念誌は40ページ。チームの戦績を中心に、シーズンごとの新加入選手、活躍ぶりをスナップや写真、メンバー表とともに記録した。
(復興釜石新聞 2020年4月1日発行 第880号より)
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3