根浜海岸 待望の海開きへ〜震災後初 7月20日から、白砂青松復活 一部再開
海浜植物の移植地で除草する釜石東中生
釜石市鵜住居町の根浜海岸で20日、東日本大震災以降初の海開きが行われることになった。これを前に10日、釜石東中(米慎司校長、生徒99人)の全校生徒が除草作業を実施。多くの海水浴客が訪れた震災前のにぎわい復活に期待を膨らませた。
「白砂青松」の陸中海岸屈指の海水浴場として知られた根浜海岸は、震災で約1・3キロにわたる砂浜が消失した。県が養浜による砂浜再生事業を実施。復興交付金など約10億円を投じて人工再生に取り組み、採石や砂を投入して定着を図る工事を進め、450メートルのうち3分の1が完了した。
市はこれを受け、一部で海開きをすることを決定。20日午前9時15分から安全祈願祭を行う。20、21日はシーカヤック、シュノーケリング、ヨット、ワークショップなどの体験プログラムを用意。「親子で参加を」と呼び掛ける。
海水浴場は8月12日まで、いずれも午前10時から午後4時まで開設する。
同海岸では地元住民、県、市、NPO法人などが地元由来の植物の再生に取り組んでいる。釜石東中は3年前から、育苗や苗の移植で協力。10日は、元々自生していた海浜植物を移植したエリアの除草と、踏み込みを防止する枠取り作業を行った。
この取り組みを支援する県立大総合政策部の島田正明准教授(植生学)が、作業を指導。岩崎美歩さん(1年)は「根浜海岸が(海水浴客で)にぎわったことは聞いているが、見たことはない」とした上で、「去年の夏は1回だけ泳いだ。今年も泳ぎたい」と声を弾ませた。
11月には、全校で育て、島田准教授が手伝った苗を2年生が移植する予定だ。
(復興釜石新聞 2019年7月13日発行 第807号より)
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