工藤監督(ソフトバンクホークス)熱血指導、鵜住居復興スタジアムで野球教室〜釜石シーウェイブスとも交流
釜石市内の野球スポ少団員を指導するソフトバンクの工藤公康監督
プロ野球福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督(55)が19、20の両日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで野球教室を開いた。初日は、市内の野球スポーツ少年団で活動する児童ら51人を熱血指導。「ここから夢を膨らませ、立派な大人になるきっかけにしてほしい」とエールを送った。
この教室は工藤監督の個人事務所が主催し、ソフトバンクの関川浩一・一軍打撃コーチらが同行。釜石市野球スポーツ少年団本部5チームの団員が参加した。
工藤監督は「必ずグローブを差し出し、目標に向かってしっかりと投げる」などとキャッチボールの基本を指導したほか、マンツーマンで投球フォームをチェック。「大きく手を広げて円を描くように回せば簡単に腕は振れる」と、自らやって見せた。
投球フォームをチェックする工藤監督
「まず、見る。そして、まねる」と工藤監督。「注意深く観察し、自分なりにどのようにやっているのかを分析、近づける努力をすることで上達する」と強調した。
野球スポ少のコーチらには「常に子どもたちを見てあげる。いつも見ているよ、と意識させることが大切」と育成術をアドバイスした。
浜っ子スポ少の教え子5人とともに教室に参加した佐々木一哉さん(39)は「工藤監督の野球の考え方はとても柔軟で、子どもたちにも分かりやすい。今後の参考にしたい」と感謝していた。
工藤監督による野球教室は一昨年、昨年と中学生硬式野球チーム釜石ボーイズを中心に行われた。鵜住居復興スタジアムが完成したことを受け、「今年はここで教室を開き、ラグビーワールドカップ(W杯)も盛り上げたい」と工藤監督が希望。釜石シーウェイブスRFCのメンバーも駆け付け、昼食会で工藤監督らと交流したほか、野球少年らと一緒にタグラグビーを楽しんだ。
2日目は釜石大槌地区の中学生67人が工藤監督の指導を受けた。
「スポーツの持つ力」で意見交わす
初日の野球教室を終えた工藤監督を迎え、「野球×ラグビー」と題した座談会が大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。釜石シーウェイブスRFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督らと「スポーツの持つ力と可能性」などをめぐって語り合い、今秋に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)の成功を願った。
釜石SWの桜庭GM兼監督らと意見を交換する工藤監督
「ファンあってのプロ野球―を肝に銘じて接している。熊本地震をきっかけに、選手の間に『九州は一つ』という思いが強まった。ファンのみなさんに勇気と笑顔を―と常に意識しながらやっている」と工藤監督。桜庭GM兼監督は「釜石SWもスポーツで地域を勇気づけるチームであり続けたい」と応えた。
この日、子どもらとタグラグビーに接した工藤監督は「一つの動きしかしないと体が壊れてしまう。ボールコントロールは難しいが、冬場の体力づくりにいいかもしれない」と前向き。
桜庭GM兼監督はW杯を念頭に「ビッグイベントは地域が一つにまとまるチャンス。選手も積極的にお手伝いしたい」と意欲を示した。
(復興釜石新聞 2019年1月19日発行 第758号より)
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