大観音とお地蔵さん、ほっこり人形 販売へ〜お守り 癒しに活用期待、大槌町の企業と釜石大観音が共同開発
心を和ませるほっこり大観音、お地蔵さん
工業デザインモデルの試作などを手がける大槌町のササキプラスチック(佐々木弘樹社長、社員17人)は、石応禅寺(都築利昭住職)が運営する釜石大観音とのコラボ企画で、新商品「ほっこり大観音」(7種)と「ほっこりお地蔵さん」(2種)を開発。正月3が日、釜石市大平町の大観音境内で試験販売を行った。
お守りや癒やしグッズとして活用が期待される同商品は、樹脂製で高さ4センチ。観音様の顔は、愛らしくデフォルメされた2パターンで、「恋人の聖地」をイメージさせるハート、魚、ラグビーボールなどのパーツを抱える。地蔵は口を大きく開けたユニークな表情が印象的で、交通安全とラグビーバージョンがある。
製作は、彫刻刀で作った原型を3Dスキャンに読み込み、データ化。光造形加工で同じものを複数立体化し、塗装や組み立ては手作業で行う。高価な金型を導入すると千、万単位の製作販売が必須で、売れ残りのリスクを負うが、この方法だと顧客が求める必要数だけを短期間に製作することが可能。「ちょっと欲しいものをすぐ作れる」メリットがあるという。
今回の企画は、県と大観音が観光振興を目指し、木製のミニチュア観音像製作を同社に依頼したのが発端。同社からより親しみやすいデフォルメ観音の製作を逆提案し、構想から約2カ月で試験販売にこぎつけた。
新商品をお披露目する佐々木社長(左)と山崎さん
企画・製作担当の山崎誠喜さん(56)はデザインも手がけ、「こだわりは見る人を和ませる目と口の表情。当面はイベントなどで販売し、集客にも貢献できれば」と期待。普段は企業の試作品製作が主で、一般の人が製品を目にする機会はないことから、「当社の技術を広くアピールできる。お客さまと直接触れ合い、意見を聞けるのも貴重」と喜ぶ。
同社は1991年創業。27歳で古里大槌に戻り、会社を立ち上げた佐々木社長(54)は「自分たちの設備、技術で『いつか自社製品を』という思いは常々あった」と夢実現の第一歩を歓迎。「子どもの絵でもご当地キャラクターでも臨機応変に対応可能なのがわれわれの強み。この商品を見かけた人が『こういうものを作れないか』と声を掛けてくれたらうれしい」と話した。
各商品は、1個1200円(税込み)で販売。次回は1月12、13日にイオンタウン釜石で開かれるイベント「新春!家族で楽しむまちなか遊び」で販売予定。
(復興釜石新聞 2019年1月9日発行 第755号より)
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