五葉山「石楠花荘」改築工事完了、供用開始〜立派な避難小屋に喜ぶ声
改築工事を終え、供用開始となった五葉山の石楠花荘
釜石、大船渡、住田の2市1町にまたがる五葉山(1351メートル)の避難小屋「石楠花(しゃくなげ)荘」の改築工事が完了し、21日から供用開始された。小屋と併せてトイレも一部改修。27日に釜石市役所で開かれた五葉山自然保護協議会(会長・野田武則釜石市長)の本年度第2回総会で報告され、出席者らは「やっとここまで来た」と、木の温かみのある新しい建物が多くの登山者に快適に利用されることを期待した。
小屋を管理する五葉山自然保護協議会の総会
事務局によると、新しい小屋は旧施設の基礎となっているコンクリート部分をそのまま生かし、上部に木造平屋の建物を整備。床面積は53平方メートルで、規模や構造は旧施設とほぼ同じ。50人程度を収容できる。
トイレには、新たに洋式を設置。扉の補修なども行った。総事業費は約6400万円で2市1町が負担。加えて、五葉山石楠花荘改修促進協議会が募金活動で集めた寄付金300万円も生かされた。
冬季期間も小屋には自由に入れるが、トイレは配管の凍結により使用できないため、現在は閉鎖している。来年4月29日に予定する山開きの際に、現地で見学会を開催する。
石楠花荘の旧施設は1988年に整備。改修を重ねてきたが老朽化が進み、地元の山岳関係者らから建て替えを願う声が上がっていた。これを受け、自然保護協が昨年度、小屋の改築を決定。7月から工事を進めてきた。
総会には野田釜石市長、戸田公明大船渡市長ら関係者約20人が出席。実際に新しい小屋を利用した釜石市の自然保護監理員から「日本一立派な避難小屋。快適に過ごせた」と喜ぶ声が聞かれた。一方でトイレや雨水管などの設置場所の変更や、消火器など防火設備の配置などの要望もあった。
野田市長は「協力に感謝。今後の利活用も共に手を携え、事業を行っていきたい」と述べた。
(復興釜石新聞 2018年12月29日発行 第753号より)
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