キャッシュレス決済導入へ、タクシー協会釜石支部〜ラグビーW杯へ利便性高める
インバウンドに向けた取り組みを進める県タクシー協会釜石支部と楽天の関係者
県タクシー協会釜石支部(岩崎松生支部長)は、タクシー料金の支払いにキャッシュレス決済を導入する。2019年ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、楽天(三木谷浩史社長)と協力し進めてきたインバウンド(訪日外国人客)の受け入れ環境整備の一つ。来年1月1日から順次対応を始め、支払い方法の選択肢を広げることでおもてなし環境の整備、利用者の利便性を高める。岩崎支部長、同社楽天ペイ事業部の鈴木修アシスタントマネジャーら7人が20日、野田武則市長を訪ね、タブレットを活用した多言語対応に向けた取り組みと合わせ報告した。
市と楽天が4月に締結した包括連携協定の一環。楽天カード営業推進本部の田中誠本部長による説明では、同支部に加盟する釜石市、遠野市、大槌町の全11社121台のタクシーにプリント型2次元コード(QRコード)とカードリーダー、タブレット端末を搭載。各種クレジットカードや「楽天ペイ(アプリ決済)」によるQRコード決済でタクシー料金の支払いを可能にする。
QRコードのイメージ
キャッシュレス化が進む中、モバイル決済の利用者は増加傾向にある。W杯で訪れる外国人観光客にとってタクシーは便利な交通手段としての利用が予想されるが、カード決済の利用可否も移動手段を選ぶ際の判断材料の一つになる。田中本部長は「支払いから降車までがスムーズになり、サービス向上につながる」と強調。鈴木アシスタントマネジャーは「訪れたまち、駅を出て初めに関わるのがタクシーの運転手。その出会いでまちの印象が決まることもある。キャッシュレス決済という付加価値を便利に利用することで来訪者が乗務員との会話を楽しみ、帰った後にもいいまちの印象を残せるよう後押しできれば」と話した。
同支部のタクシーでは、タブレットを活用し翻訳アプリなどで多言語にも対応。平松篤副支部長は「キャッシュレス化、インバウンド対応のけん引役になれれば。飲食店などにも浸透し、市全体で対応できるようになってほしい」と願った。
市では9~11月に同社と共に、市内263事業者を対象にキャッシュレス決済導入に向けた訪問調査を実施。29・7%に当たる78事業者が導入を決めた。業種別では宿泊業が75%、小売業57%、飲食業22・4%。今回の報告直前に17事業者が新たに導入を決めたという。
野田市長は「おもてなしのまちとの印象を残してもらえる。今回の取り組みを参考にしながら、市としてもインバウンド対策を進めたい」と述べた。
(復興釜石新聞 2018年12月26日発行 第752号より)
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