三陸鉄道全線開通ダイヤ発表、釜石―宮古間 1日上下23本〜盛―久慈 つながる線路、効果的に生かす
リアス線全通へ期待を高める三陸鉄道の中村社長ら社員=13日、宮古市の三陸鉄道本社で
三陸鉄道(本社・宮古市、中村一郎社長)は13日、来年3月23日に全線開通するリアス線(大船渡・盛―久慈間、163キロ)の運行ダイヤを発表した。JR山田線から移管される釜石―宮古間(55・4キロ)では震災前より3本増の上下計23本を運行する。運行開始日は記念の特別運行として釜石―宮古間を2往復。翌24日から営業運転を始める。被災地を路線とする経営環境は厳しいが、中村社長は「一人でも多くのお客さまに利用していただき、運賃収入を増やしていけるよう頑張りたい」と意欲を示した。
盛―久慈間の全区間直通は上り3本、下り2本で、所要時間は4時間21分~同38分。このほか盛―宮古間で上り2本、下り3本、釜石―久慈間で上り1本、下り2本を運行する。
リアス線に新たに加わる釜石―宮古間では普通列車上下各11本を運行。このほか岩手船越(山田町)―宮古間に朝の通勤通学用に上り1本を運行し、利便性の向上を図る。
盛―釜石間は上下各11本を運行。全面的にダイヤを見直し、上下各1本を増発する。
JR釜石駅では3・4番線がリアス線の列車の発着に使用される。3番線はJR釜石線の列車の発着も予定されることから、釜石線とリアス線の同一ホームでの乗り換えが可能になる。
JR宮古駅は三陸鉄道に移管し、乗車券の販売や集改札業務を全面的に担う。
JRから三陸鉄道に移管される宮古駅
両石(釜石)―磯鶏(宮古)間の各駅のうち大槌駅と陸中山田駅では三陸鉄道の乗車券類の委託販売を行うが、その他の駅はすべて無人駅となる。
釜石―宮古間は震災の津波で線路など8・5キロが流失。JR東日本が復旧工事を進め、来年1月から試運転を行う予定。三陸鉄道は移管後、13駅を設置し、リアス線全体では40駅となる。大船渡市から久慈市までの沿岸部が一本のレールでつながり、総延長は第三セクター路線として国内最長となる。
全線開通100日前に新ダイヤを発表した中村社長は「線路が一本につながることを効果的に生かしていきたい」と期待を述べた。
(復興釜石新聞 2018年12月15日発行 第749号より)
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