釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第11弾『上田 宥人選手』
選手紹介2018/10/15
上田宥人(うえだ ゆうと)選手(所属先:釜石市役所 職員)プロフィール
2018年加入/1994.3.2生(24歳)/183㎝/98㎏/大阪府大阪市出身/東海大仰星高→明治大学卒
●ラグビーを始めたきっかけ:中学1年の時、中学のラグビー部のコーチに強制的に入部させられて
●ポジションの遍歴:FL/No8→LO→FL→LO/FL
●ニックネーム:ゆうと
●趣味:買い物、サーフィン(ネット)
●好きな食べ物:すし、肉
●釜石のオススメ:なにわ屋(全定食)
●出身地のオススメ:たこ焼き
●試合前のルーティン:いつも通り過ごす
●ストロングポイント:ボールスキル
●サポーター、ファンへメッセージ:いつも応援ありがとうございます。一戦一戦全力で頑張り、チームに貢献しますので、これからも素晴らしい応援よろしくお願いします。
(取材日:2018年9月21日)
CM出演は“SWの選手”と知ってもらう良いきっかけになりました
ーーまずは、入団の経緯から教えて下さい。
上田選手:
大学卒業後、日本国内のチームではなく、オーストラリアにラグビー留学し、地元のクラブチームでプレーをさせてもらっていました。留学当初は、完全燃焼してラグビーから離れようかなぁって考えてたんですけど、逆にオーストラリアに行った事で火がついてしまって(笑)。心残りというか、やり切っていない感があって、“まだ、やれるんちゃうかな?”とも考えたりして・・・。
そして、帰国後は大阪のクラブチームに入りました。「TL・TCLに行きたいと考えている」って周りに言っていたら、「じゃぁ、うちのクラブで練習していいよ」って声を掛けてもらって、結局、5つのクラブチームを掛け持ちしていました(笑)。
そんな感じで試行錯誤していた時に、明治大学の時にお世話になった小村さん(元釜石SWヘッドコーチ)が、「今どうしてる?」と連絡をくれて、状況を伝えたら「それなら釜石でトライアウト受けてみないか?」とお誘い頂き、トライアウトを受けたのがきっかけです。
ーーRWC2019釜石開催を世界にPRするCM「進め!ラグビー精神で!」に出演されています。あの出演はどういう流れだったんですか?(2分25秒のあたりからのシーン)
上田選手:
2月に入団と同時に市役所で働かせてもらう事になって、最初の仕事でした(笑)。
生涯学習文化スポーツ課に所属しているんですが、「ラグビーのCM撮影があるから、エキストラで参加してくれへん?」と急遽言われ、入ったばかりの自分は「あ、はい。」っていう感じで。
ラグビーのプレーシーンのエキストラで入るんかな?って思っていたら、宝来館でのお風呂のシーンで、えぇ?!ってなりました(笑)。これって、何かの間違いちゃうんかな?みたいな感じだったんですけど、「はい、裸になって!」と。・・・で、ラグビーボールに囲まれながら風呂に入りました(笑)。
野田市長も見て下さって、「あのお風呂の子ね!俳優さんを雇って撮影したシーンだと思ってたよ!」って言って下さったり(笑)、おかげさまで市役所の中での認知度は高くなりました。
市内の飲食店に行った時も、「あれ?釜石のCMに出てる人だよね?」と声を掛けてもらえる事もあって、「SWの選手なんやね!」って知ってもらうきっかけにもなっていますね。
ーー2014年 IBC杯でSWと対戦。6番FLでスタメン出場。その時、印象的だった事、覚えている事は?
上田選手:
その試合、釜石のメンバーには知っている有名な選手が何人かいて、その頃は格上の社会人チームと対戦する事があまり無かったので、どういうラグビーをするチームなのかなぁって思いながら、明治としては相手に飲み込まれないようにやろうという感じでした。
結果は明治が勝ちましたが、接点の一つ一つやコミュニケーションの部分が学生ラグビーとは違う雰囲気があったし、自分達にとってはイヤなプレーが多くて、やっぱり良いチームだなって思いました。
あとは、応援団がもうめちゃ凄かったですね!そこは確実に負けてました(笑)。あれを見た時に「凄いチームなんやな、愛されてるんやな」って、そこが一番に感じた事ですね。
自分がSWに加入して、あらためて「応援の力ってすごいな」って思います。良い時も悪い時でもいつでも声をかけてくれて、厳しい言葉も言って下さるだけでもありがたい事だと思うので、真摯に受け止めています。
LOっぽくないLOかなって思います
ーー春、夏シーズンを振り返って。
上田選手:
当初はFL/No8が希望だったんですけど、グラウンドでの全体練習が3月くらいから始まって、そこで松さん(松原FWコーチ)から「LOもやってみいひんか?」と言われて、U20(20才以下日本代表)の時にちょっとLOをやっていた経験があったので、ポジションの幅も広がるし「やります」と取り組み初めました。
そこからLOというポジションについて色々と考え始めて、経験があるとは言ってもU20の後はやったことなかったので、コーリー、聡太郎、佐伯さんに色々と聞いて、ヒントをもらいながら試行錯誤してやってきたんですけど、LOっぽくないLOかなって思います。ポジションはLOだけど、フィールドではFLみたいな、ステップワークとかボールスキルとか、そういう部分を出してながらやってきました。
ーーSWは今季、県内を中心にラグビー普及活動を積極的に実施していますね。
上田選手:
この普及活動は、市と連携してやっているので、自分は所属部署の仕事としてもやらせてもらっています。
初めの頃は幼稚園や保育園に良く行きました。普及担当のマヘさんと事務局の小原さんが一緒に行ってくれていたので何とか出来ていたんですが、これまで学生や大人に教えた事はあったものの、小さい子どもにどうやって教えたらいいのかがわからなくて戸惑いました。
でも、子どもだからこんなもんで・・・とか簡単には考えていなくて、実際はほとんどラグビーの形にはならないんですけど、ちゃんとラグビーというスポーツを取り入れながら楕円球に触れています。
こうして自分が接した中から、“SWの選手に教えてもらってラグビーをやりたくなった!”という子どもが一人でも多く出てくればいいなって思います。
80分最後の笛が鳴った時に倒れるくらい、出し切る
ーーここまでリーグ公式戦は第2節まで終了しました。(インタビュー時)
上田選手:
2連敗中なんですが、完敗だったなっていう試合ではないと思うんです。
試合の中でやらなきゃいけない事が出来なかったり、自分達のミスだったり、色々と気づかされる部分が多かったので、そこを一つ一つ修正していかないといけないです。
やられてから気付かされるんじゃなくて、“自分たちから気付いて行こうという力“も試合を重ねるごとに付いてきていますし、確実に自分もチームも成長していると思います。
ーー試合を観ていると、上田選手の積極的なコミュニケーションの取り方がとても印象的です。
上田選手:
ここまで2戦はリザーブからのスタートなんですけど、自分がスタメンやったらリザーブに何して欲しいか?と考えた時に、ちゃんとした声がけなどで“エナジーUP”して欲しいなって思うんです。なので、メンタリティの部分でチームに良い風を送りたいと思って意図的にやっています。
もちろん、スタメンで出てもエナジーUPはやって行きますし、外国人、日本人、FW、BK、関係なくいろんな選手とコミュニケーション取って行きたいです。
ーーもう一つ、いつもすごく落ち着いた感じで、その年齢にしては貫禄があるといいますか・・・。
上田選手:
そうですか(笑)。あんまり何にも考えてない時もあるんですけど(笑)。
次、相手が何してくるんかなぁ?とか、チームの皆が今どういうメンタルしてんのかな?とか、キツイやろな。どう声かけしようかな?とか、そういう時はもう黙ってますね。カラ元気じゃないですけど、変に自分がずっと言い続けても皆しんどいと思うんで、言う時は言うことでメリハリをつけるというか。
これも、高校の時からずっと“考えるラグビー”をやっていたおかげかなって思います。気合だけじゃなくて、そういう考える意識が身に付いているので、リザーブでも「自分だったらこうするな」とか、もうずーっとラグビーの事を考えていますね。
ーーそれが、プレーにも現れているんですね。上田選手の献身的なプレーも印象的です。
上田選手:
前半のメンバーがもう力を出し切ってプレーしてくれているので、後半から出る自分も残り少ない時間を全力でプレーするしかないなと思っています。コーチ陣からも、「80分最後の笛が鳴った時に倒れるくらいに出し切ってこい!」って言われていて、そこは自分もそう思うんで、必ずやり切ろうと。
自分が良いプレーしても、ミスしても、そのつど喜怒哀楽を出すのではなく、試合全体を通しての評価というか、“自分の役割を果たせたかどうか”という部分にこだわってやっています。
ーーシーズンに入って、アタックの場面で、自分で縦にゲインを切っていくプレーが多くなったと感じたのですが、意識は変わっていますか?
上田選手:
松さんとのレビューで、「ここは縦に切って行って欲しい」っていう要望があったり、自分のダメな癖のチェックとかがあるんで、そこを修正しながらやっています。この2戦は、後半から出る際に縦に切りにいくプレーが多く必要になっているので、そこは意図的にやってます。
自分が得意なパスやステップワークとかもあるんですけど、それと併せて“縦の突破”も自分の強みにしていきたいです。
“勝ちきる”チームに
ーー勝つ為に、何が一番チームに必要だと思いますか?
上田選手:
練習中にやらないことは試合では出ないので、まずは練習でコミュニケーションやハードワークの部分を含めた色々な事にチャレンジし、試合で結果を残すというのが一番大事だと思います。
もちろんシーズンに入る前から取り組んでいたんですけど、シーズンに入って“こういう時はこうしたらいいんだ”とか、いい方向へ修正しながら考え方も色々と変わったりしてきていて、それがチーム全体にも広がっていると思うので、ブレずにどんどんとチャレンジして行きたいと思います。
ーーこのあと、さらどんなチームになっていきたいですか?
上田選手:
やっぱり、“勝ちきるチーム”になっていきたいですね。
春夏にTLチームと試合をしてみて、めちゃめちゃ差を感じたわけではないので、次こそ頑張ろう!・・・っていう気持ちもあるんですけど、現実的に負けた事が悔しすぎて、何回もその試合を見返して「なんで負けたんやろうな・・・」とかすごく考えます。篤志(南)の家に同期で集まって試合映像を観たりもするんですけど、お互いに「ここはこうやろ!」とか「ここはこうして欲しい!」とか言いながら、ラグビーの事ばっかり考えてます。
修正点があると言う事はそれだけ“伸びしろ”があるって事なので、まずは“勝つチーム”にして行って、目標の“TOP4”“TLチームとの入替戦”を目指します。
勝ちにこだわり、残りの試合は“とにかく勝つ”という事にベクトルを向けて戦って行きたいです!
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釜石シーウェイブス今後のリーグ公式試合情報です。
第5節 10月20日(土)14時キックオフ
対戦相手:中部電力レッドレグリオンズ
試合会場:コカBJIスタジアム
第6節 10月27日(土)14時キックオフ
対戦相手:近鉄ライナーズ
試合会場:いわぎんスタジアム
第7節 11月4日(日)14時キックオフ
対戦相手:栗田工業ウォーターガッシュ
試合会場:鵜住居復興スタジアム
試合開催について詳しくは、釜石SW公式サイトでご確認下さい。
http://www.kamaishi-seawaves.com/