釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第8弾『中村 良真選手』 2018年シーズンBKリーダー
選手紹介2018/08/21
中村 良真(なかむら りょうま)選手(所属先:新日鐵住金(株)釜石製鐵所) プロフィール
2017年加入/1994.11.27生(23歳)/172㎝/73㎏/青森県八戸市出身/帝京大学卒
●ラグビーを始めたきっかけ:高校1年から、父の影響で(気づいたらラグビーボールを持っていた)
●ポジションの遍歴:SOのみ
●ニックネーム:りょうま
●趣味:旅行(多趣味です)
●好きな食べ物:肉
●釜石のオススメ:美味しい海産物
●出身地のオススメ:八戸市全部(八戸LOVE!)
●試合前のルーティン:足の毛を全部剃る(毛がない→怪我無い:池田渉BKコーチ直伝)、決まった音楽を聴く
●ストロングポイント:キック、ラン
●サポーター、ファンへメッセージ:我々とファンの皆様と一つになり、トップリーグへ向け勝利をつかみましょう!
(取材日:2018年7月20日)
自分の弱さ、甘さを実感した昨シーズン
ーールーキーイヤーの昨シーズンはどんな1年でしたか?
中村選手:
春からスタメンで試合に出させて頂いて、社会人1年目として良いスタートを切ったと周りの方も評価して下さったんですが、シーズンが深まっていった時にコンディション調整に苦慮したり、チームから求められるプレーを自分のスタイルと上手く融合させられずにメンバー落ちした時期もあり、悔しい思いもしました。
振り返ると、まだまだ足りない所があったし、自分の事ばかりを考えて、弱さや甘さが出てしまったと強く感じたシーズンでした。
ーー1stステージ前半の試合は、惜しい試合があったと思うのですが・・・。
中村選手:
釜石での九州電力戦は、試合後にメンバーからも「切り替えて行こう!」と声を掛けられて、皆の前では素振りは見せなかったんですけど、ラグビー人生でベスト3に入るくらい悔しかったです。
その日の夜に試合を思い浮かべて、やっぱりあの試合はゲームメーカーの僕がもっと試合をコントロールしないといけなかったし、接戦だっただけに、プレースキックをもっと正確に蹴って決められていたらと考えて・・・すごく悔しかったですね。
帝京で学んだ事を活かしながら、新しい事にチャレンジしていく1年に
ーー大学ラグビー選手権9連覇中の帝京大学卒。大学チームながら、トップリーグにも引けを取らないレベルのチームに在籍していた中村選手でも、社会人では戸惑う部分がありましたか?
中村選手:
社会人になって、新しいチームに所属しプレーして気がついたのは、帝京大学に居た時は「チャンピオンチームにいるんだ」という甘えが、自分の中にあったんだという事でした。
去年は、それが「帝京に居たんだから大丈夫だ」という考えに繋がってしまっていました。
帝京大学で過ごした時間は濃くて、一生において多分もう経験出来ないような忘れられない4年間だったんですけど、でもやっぱりそれはそれとして切り替えて、今年は帝京で培った良い部分を出しながら、SW一色に染まり、新しい事にチャレンジしていく1年にして行きたいです!
ーーラグビーを始めた頃から、帝京に入る!と決めていたんですか?
中村選手:
正直、高校を卒業する時にはラグビーをやめようと思っていたんです。でも、周りの人たちの勧めがあって、それで、最初は慶應大学に行こうと思ったんですけど、なかなか難しくて・・・。
一度はどこにも行くところがないという状況になったんですけど、そこで吹っ切れてどうせやるんだったらチャンピオンチームでやりたいなと考えるようになり、色々な繋がりもあって帝京に入る事が出来ました。
なので、トントン拍子に来た訳ではなく、けっこう苦労した時期もありました・・・って感じです(笑)。
帝京での4年間で一番学んだ事は、人間性の部分ですね。一言では言い切れないですが、「社会で活きる力」を毎日常に学んでいました。
練習だけではなく、人との関わりとか日常生活とか日々の積重ねが今日の一日に繋がっていて、社会人になって今の仕事にも活かされているなと毎日感じています。
ーー帝京での同期、同じポジションには松田力也選手(パナソニック ワイルドナイツ)が。松田選手の存在は?
中村選手:
正直に言うと、大学に入る時に力也も入るという事を聞いて、「わぁ、力也かぁ・・・もう終わったな」って思ったんです。弱いんです気持ちが、こう見えて(笑)。
周囲からも「松田がいるからなぁ・・・」とかなり言われ、4年間ずっと比べられてきて・・・。外見は笑顔で「そうっすねー」と答えてはいたんですけど、内心はすごく悔しくて。ずっと「どうにかしてやろう!」と思ってはいました。でも、力也は僕がラグビーをやって来た中で、ほんと一番じゃないか!って思うくらい上手い選手で・・・
でもある日、岩出監督に言われた言葉をきっかけに僕の中の考えが大きく変わり、“力也は力也で僕は僕だ”と良い意味で吹っ切れて、力也にあるものを盗みながら、自分の長所を前面に出して行こうと思うようになったんです。
スキルもディフェンスも体の強さとかも全部で劣ってはいたんですけど、気持ちの部分では常に闘志を燃やしながら4年間頑張れたのは、力也が居てくれたからだったと思います。同期ながら尊敬していましたし、良きライバル、仲間だったなって思います。今は、力也の活躍がすごく嬉しいですね!
色々なバックグラウンドを持つ選手が多いからこそ、一つになった時に強いチームになれる
ーーBKリーダー就任についてはどうでしたか?
中村選手:
ちょっと生意気かもしれないんですけど、話を頂く前から、今年は絶対リーダーをやる!って心で決めていたんです。なんなら自分から志願したいくらいの勢いでしたが、そこはチームの方針もあるし、自分で決められる事ではないので気持ちを押さえていました。
こうしてリーダーの職を頂いてすごく嬉しかったですし、ワクワク感が更に大きくなって“よしやってやるぞ!”というモチベーションアップにつながりました。
ーー中村選手の年代がちょうど各世代を繋ぐ役割に最適、という事もあるでしょうか?
中村選手:
桜庭さんの狙いも、そういう所にあったのかなと思います。世代的に上と下にリーダーを置き、ちょうど僕たちの世代が中間で、メンバーを繋ぐ橋渡しの役目かなと。
でも、僕は特に年齢とかは意識はしていなくて、上の人から下の世代のメンバーともどんどんコミュニケーションをとっています。
このチームには、高校を卒業してすぐ加入する選手から、TLのチームから来た選手まで色々なバックグランドをもった選手が集まっていて、難しいチームだとは思うんですけど、キャプテンの航大さんや僕も結構気さくなタイプなので、そういうメンバーがどんどん周りに話しかけて行く事が大切かなと思います。
ーー中村選手も会社員として働きながらプレーする選手なので、若手の社員選手たちの気持ちなどもよくわかる部分もあるのでは?
中村選手:
4人のリーダーの中で、同期の聡太郎と僕だけが昼は会社員として働く“社員選手”なんですが、やっぱりプロ契約選手とは環境が違うので、その“ギャップをどう埋めるか”というのも聡太郎と僕の使命だと考えていて、そこは2人でよく話ながらやっています。
でも、逆にそうした色々なバックグランドを持った選手が居るからこそ、一つにまとまった時にどのチームよりも強いチームになると思うんですよね。
ーー新日鐵住金では、どんなお仕事をされていますか?
中村選手:
工程業務室出荷調整係に所属しています。直属の上司はOBの森闘志也さんで、笑顔の絶えない楽しい職場です!
業務内容は、ご注文頂いた商品を発送する際に、どれをどのくらいどんな手段で運ぶのか、例えば陸送か船便か等を調整していて、ラグビーで例えるとそれこそ“スタンドオフ”のような役割の仕事ですね!
出荷現場の方、関連業者の方、会社の関係部署社員、お客様など、色々な人たちとやり取りがあってコミュニケーションも取れますし、やっていてすごく面白いです!
自分たちのラグビーを貫く強さを
ーー今シーズンもTLチームとの試合を中心に10番 SOで出場されています。ここまではどうですか?
去年とは気持ちの部分が大きく違い、チームの目標と自分の目標が明確になっていて、そこに向かってとにかく突き進むだけという感じで、普段の練習から意識して必死にやっています。
試合でも、自分の事だけではなくチームの事を最優先に考え、「チームとしてどういう戦い方をすればベストなのか?」を常に考えながらやっていますし、その他にもBKリーダーとして、チームメイトの事、コーチ陣とのコネクションなども自分の役目ですので、ほんとにずっとチームの事を考えていますね。
そうすると自然とプレーにも良い影響が出てくるんですよね。自分の事だけに精一杯だと、どうしても周りが見えなくなってしまうので、常に仲間を信頼して頼り合う事も大切だと感じるようになりました。
ーーNEC戦後の「相手に左右されず、自分達のラグビーをする事がもっとも大切」というコメントが印象的でした。
中村選手:
TLチームと対戦した時に、それまで練習でやってきた事が全然出せない事があり、それが何故なのか?というと、もちろんプレッシャーもあるんですけど、それ以上に「格上のTLチーム」がとか、「フィジカルが強い」とか、相手を意識し過ぎている部分があるんですよね。
でも、振り返って見ると、NEC戦も普段通りの自分達のラグビーをしていれば絶対もっと戦えたんです!
ラグビーって不思議で、相手を意識したり、フィジカルで負けると、思考が止まってしまうんですよね。
そういう時にチームの誰かがビシッと言ってくれると、我に返っていつもの自分に戻る事が出来るので、それを本当は僕がやらなきゃいけないと思うんですけど、あの試合は僕も相手を意識してしまって、それが出来なかったのが悔しかったです。
自分たちのラグビーをすれば絶対それが一番強いですから、対戦相手に左右されずに、絶対に自分たちのラグビーを貫くべきだなと改めて思って、ああいうコメントになりました。
ーー今シーズンの抱負を教えて下さい。
中村選手:
個人としては、去年は悔しい思いをしたので、どうしても全試合出場したいというのが一番の目標です。
チームとしては、TL入れ替え戦に進み、そこでTLチームを倒して昇格する!これしか無いです!
SWは地元の皆さんやファンの方々とも近くて、恵まれた環境がある本当に良いチームだと思います。
だからこそ、これまで培ってきた事を活かして、SWで活躍して地域全体を盛り上げて行きたいといつも考えています。
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8月も残り少なくなり、シーズン開幕がどんどん近づいて来ています。今週末、8月25日(土)12時から、セコムラガッツとの練習試合が行われます。会場は釜石市球技場です!
詳しくは、釜石SW公式サイトをご覧ください。
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