釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第7弾『吉田 竜二選手』 2018年シーズン選手会長

選手紹介2018/08/07


釜石シーウェイブスRFC選手紹介 第7弾『吉田 竜二選手』 2018年シーズン選手会長

吉田 竜二(よしだ たつじ)選手(所属先:ALSOK岩手(株)) プロフィール  
2016年加入/1988.2.3生(30歳)/175㎝/105㎏/大阪府大阪市出身/拓殖大学卒
 
●ラグビーを始めたきっかけ: 中学1年の時、おとん(父親)のススメで
●ポジションの遍歴:HO→PR→HO
●ニックネーム:たつじ
●趣味:釣り(海)
●好きな食べ物:ホルモン、魚
●釜石のオススメ:自然(が近い)
●出身地のオススメ:通天閣(実家の近く)
●試合前のルーティン:とにかく良く寝る
●ストロングポイント:セットプレー
●サポーター、ファンへメッセージ:いつも熱い声援ありがとうございます。皆さんの応援が選手の力になります。今シーズンもよろしくお願いします。
(取材日:2018年7月17日)

 

2度目の入団~やっぱり釜石でラグビーをしたい

 

吉田 竜二選手

ーーまずは、昨シーズンを振り返って。

 

吉田選手:

トップ4を目指してスタートしたシーズンでしたが、開幕後に強豪と対戦が続く中で、特に、三菱重工、九電の2チームとの試合は、勝てた試合で勝ちきれなかったという事に悔いが残っています。

 

1stステージで5位~8位のBグループに入った時点で目標がリーグ残留に変わり、そこですぐに気持ちを切り替え、モチベーションを保ち続け事が難しかったですし、2ndステージでも、1stステージでは勝った相手に接戦の末負けてしまった結果、下部リーグとの入れ替え戦に回ってしまった事が悔しかったです。

 

そんな悔しいシーズンでしたが、最後に入れ替え戦で無事に勝利してリーグ残留を決め、昨シーズンで引退した剛臣(伊藤)さんを送り出せて、ほんとに良かったと思っています。

 

ただ、同期や一緒にやってきた先輩が昨シーズンで引退したり、退団したりしたのが寂しかったです。
僕もそういう年齢になってきたんだなぁと感じました。チームでは上から数えた方が早いですからね!

 

吉田 竜二選手

 

ーー実は、2016年が2度目の入団だった吉田選手。1度目は、拓殖大卒後の2010年でした。

 

吉田選手:

細川(諭)、拓也(髙橋)、益基也(井上)さん、康夫(須田)さん等と一緒にチームに加入しました。戻って来た時に残っていてくれたのが嬉しかったです。他にも2010年に一緒だったチームメイトの長田さん、佐伯さん、森山さん、陽丞(佐々木)やセコムでも一緒だった佐藤(雄太)もいましたからね!

 

ーー2010年シーズンの終わりに、東日本大震災が起きました。それが退団に影響したのでしょうか?

 

吉田選手:

拓殖大卒後、釜石市の臨時職員として採用して頂き、働きながらラグビーをしていました。
そして、震災が起きた後は、ご遺体を搬送する仕事を担当しました。
それまでの経験ではご遺体を目にする事はほとんど無かったので、当初はやはり精神的に辛い部分もありましたが、後々「大変やったやろ?」とか色々聞かれたんですけど、嫌な仕事という思いは全くなかったです。
むしろ、あの状況の中で「見つけてくれてありがとう」とご遺族から感謝される事が多い仕事でした。

 

臨時職員は1年ごとの更新契約のため、震災直後の状況下ですぐに対応するのは難しいという事情もあり、チームや知り合いにお願いして市内での仕事を探しながら、3月いっぱいは釜石にいました。
本当は残れるなら釜石に居たかったんですけど、僕も仕事がないと食べて行く事ができないですし、仕事が見つからなくて仕方がなく釜石を出たという感じでした。

 

ーーそして、2016年に“おかえりなさい!”となるわけですが・・・。

 

吉田選手:

釜石SWでの2010年は楽しくて、チームが嫌で離れたわけではなかったので、「戻るチャンスがあれば・・・」という気持ちがずっと心の中にありましたが、やっぱり前のチーム(セコムラガッツ)との関係もありました。

 

2015年シーズンはあまり自分の納得のいくパフォーマンスが出来ず、年齢的な事もあって一度は「引退かな・・・」と考えたりもしたんですけど、それやったら、自分がやりたいと思っているSWに戻ってラグビーやりたいな。引退する前にダメもとでもう一回チャレンジしてみよう!と。

 

それで、2010年にすごくお世話になった芳さん(斎藤)に連絡し、「僕、戻りたいと思っているんですけど、チームに繋いでもらえませんか?」ってお願いしたところ、すぐに「わかった」と言ってくれました。
そして年末に桜庭さんから直接電話を頂き、「戻りたいって聞いたけど、どうなんだ?」「僕は戻りたいです」「そうか、分かった。少し時間をくれ」という話になったんです。
でもその後しばらく連絡が無くて、「これは無理なんやな・・・」と思って諦めていたんです。

 

肩の状態があまり良くなくて、引退するにしても日常生活に影響が出るのはイヤだったので、その時に手術をしました。
そしたら、手術の2日後に桜庭さんから連絡が来て、「この間の話だけど、どうだ?」「僕としては戻らせてもらえたらありがたいです。実は肩の手術してしまったんですけど、それでもいいですか?」「復帰出来ないわけではないだろう?」「はい、復帰出来ます」「それだったら、戻ってこい」と言って頂きました。

 

それが2月に入っての話だったので、前のチームには「急ですみません!」と頭を下げ、ありがたくSWに戻らせて頂きました。

 

ーー戻ってからは、ALSOK岩手でお仕事をされていらっしゃるんですね。

 

吉田選手:

はい。前のチームも警備会社でしたので、日本を代表する2大警備会社を制覇しましたね(笑)。
メインの業務は常駐警備と言って、請け負っている施設で出入管理をする仕事で、僕は新日鐵住金の門を担当しています。その他にも事務所に詰めて事務仕事もしています。
それこそ、同期の細川がずっと担当していた業務で、彼が退団した後に直接本人から引き継ぎました。

 

釜石にアウェー無し!~応援の声を力にして

吉田 竜二選手

 

ーー昨シーズンの出場試合は、主に16番リザーブでベンチスタートでした。

 

吉田選手:

HOは彰(中村)が先発出場していて、同期なんでよう話する間柄なんですけど、やっぱり彰と同じ色を出していても仕方がないので、試合に出してもらえる時には“僕は僕の色を出して行こう”という気持ちでした。それによってチームに勢いをつける事が出来ればと、ただそれだけを考えながら、勝っている時でも負けている時でもベンチでゲームを見つめていました。

 

僕は“ボールを持って相手を飛ばしてどんどん前に”みたいな、そういう派手なプレーをするタイプではないので、地味なプレーというか、ディフェンスで良いタックルを一つ決めれば、それでチームの流れも良くなったりしますし、出る時は「ディフェンスでやったろ!」という気持ちでいますね。

 

ーーHOはやはり、FWの中でも要のポジションですよね。特にセットプレーでは。

 

吉田選手:

そうですね、スクラムは8人で組むもので、昨年は自信を持って組めていました。
ラインアウトもみっちり練習して自信は持っているんですけど、途中出場の一発目で大事な局面でのスローイングとかはすごく緊張するので、「簡単なサインであってくれ!」と思ったりします。そこで難しいサインが出たりすると更に緊張感が増し、慌ててしまって普段通りに投げられない事もありますね。

 

簡単なプレーに見えるかもしれないんですけど、相手のプレッシャーがきつかったりとか、結構細かい事が影響してくるんですよ、あのスローイングの場面は(笑)。
意外と“強心臓”の人じゃないと、なかなか上手い事いかないかもしれないですね。

 

あと、やはりラグビーは選手のコミュニケーションが影響する部分が大きく、ラインアウトも“投げる側”と“受ける側”の気持ちが一緒じゃないと上手く行かないですね。

 

そういう点でも、FWは特にコミュニケーションが必要になって来くるので、ずっとしゃべってないと良い連携が出来ないと思うので、僕も含めてチーム全体でもっとしゃべらないといけないですね!

 

吉田 竜二選手

 

ーーラインアウトの時、「竜二頼むぞー!!」とか声援が飛んでいますが、聞こえますか?

 

吉田選手:

聞こえます!スゴい聞こえます(笑)。
そして、失敗した時の“ため息”もよく聞こえます!(笑)。その時は「次こそやったろう!」って奮起するんで!ありがたいです!

 

最初にいた2010年から、あの応援だけは変わらないですね。時に激しく厳しく、時にやさしく(笑)。あの声援は絶対に選手の力になっています!
ファンがこんなに応援してくれるチームって他にはなかなか無いと思うので、新日鐵の時代から続く釜石ラグビーのいい文化だな、恵まれた良いチームだなと思います。
「釜石にアウェー無し!」と良く聞きますが、まさにその通りで、ほんとに感謝しています。

 

仲間と切磋琢磨しながら、自分の色を出してチームに貢献を

吉田 竜二選手

 

ーー今シーズンは選手会長に就任されました。

 

吉田選手:

実は昨年からなんですけど、特に何も出来なかったという反省点があり、今年は選手同士のコミュニケーションをもっと細かく取って行くために、ミーティングの回数を増やしています。
やっぱり普段から意見が言いやすい環境が無いと、いきなり試合では出来ないですからね。小さなことでもなんでも話せる文化をつくりたい、そういうチーム環境が大事だと思います。
クラブハウスをきれいに使おうとか、自分たちの周りの環境を整えるなど基本的な事も取り組んでいます。

 

ーー今シーズン、ここまでは?

 

吉田選手:

IBC杯後、アキレス腱と膝の不調で試合にも出れていないんですけど、7月中旬から復帰したので、ここからシーズンに向けてパフォーマンスを上げ、試合に出られるように頑張りたいと思っています。

 

同じポジションではマフィ(マット)や大樹(伊藤)が試合に出ていて、2人ともアタックが得意でガンガン前に行くタイプの選手なので、僕はその2人とは“違う色”、ディフェンス・セットプレーの精度や運動量でアピールしていければと思っています!

 

ーー今シーズンの抱負を教えて下さい。

 

吉田選手:

個人的には、試合に出る事にこだわってやらないと選手としてダメだと思うので、その為にこの8月もとことん追求してやっていきます。選手同士が切磋琢磨して行かないといいシーズンにならないですし!

 

チームとしてはトップリーグ(TL)昇格という目標がずっとあるので、接戦をものにして勝ち切るチームを作って行きたいです。やっぱり、TLに行く為にはまだまだレベルを上げて行かないといけないですし、開幕戦から強いチームと対戦しますけど、そこで勝ったらチームに勢いがついて波に乗れると思うので。

 

そしてトップ4に入り、TLチームとの入れ替え戦に挑みます!
来年2019年には釜石でラグビーワールドカップがあります、その年に釜石がTLに居るというのは大きな目標ですし、それが達成出来る様に頑張ります。

 
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次の試合は、いよいよ鵜住居スタジアムのオープニングを飾る『キックオフ メモリアルマッチ 釜石シーウェイブスRFC vs. ヤマハ発動機ジュビロ』戦が、8月19日14時から行われます!

 

チケットをお持ちの方は会場で、そして、お持ちでは無い方は釜石市民ホールTETTOでパブリックビューイングも行われます。ぜひ、各会場で声援を送りしょう!!
詳細は以下の各サイト等でご確認下さい。

 

釜石シーウェイブスRFC公式サイト
キックオフ!釜石8.19 釜石鵜住居復興スタジアムオープニングDAYのパブリックビューイングを開催します – 釜石市
釜石鵜住居復興スタジアム Facebookページ

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縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内


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