国内初導入、鵜住居復興スタジアム ハイブリッド芝生〜エアファイバー釜石へ、国際貿易港化が輸入後押し フランスから1350トン


2018/04/06
復興釜石新聞アーカイブ #地域

芝の補強材移送作業

芝の補強材移送作業

 

 釜石市がラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として建設を進めている釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)で来月、補強型天然芝(ハイブリッド芝生)を使ったグラウンド整備が始まる。天然芝の補強材となる化学繊維「エアファイバー」が今月初めに釜石港に到着、26日にコンテナからの荷下ろし作業が行われた。

 

 市はグラウンド整備に関し、補強型天然芝の導入を昨年6月に決定した。人工繊維と天然コルク、砂を混ぜた特殊な床土を敷き、寒冷地の芝草種子を組み合わせたハイブリッド仕様で、土に繊維を混ぜてクッション性を高め、そこに芝の根を絡ませて生育を促す仕組み。導入にあたり試験栽培をしたところ、従来の芝生グラウンドに比べて芝の耐久性や衝撃吸収性、保水性などが高まった。建設費は高くなるが、10年間の維持管理費は軽減され、2倍の稼働率が見込まれるといったメリットも。床土改良型としては日本で初めての導入になるという。

 

人口繊維、天然コルク、砂を混ぜた「エアファイバー」

人口繊維、天然コルク、砂を混ぜた「エアファイバー」

 

 エアファイバーは、フランスの「ナチュラルグラス社」が開発。同スタジアムのメイングラウンドに使うため、約1350トンが5便に分けてフランスから輸入される。

 

 26日は、すでに荷揚げされていた114トン分がコンテナから運び出された。この日は第3便、長さ20フィート(約6メートル)のコンテナ21個分も到着した。

 

芝の種をまく補強材はコンテナで運ばれた

芝の種をまく補強材はコンテナで運ばれた

 

 グラウンドの整備は4月9日から始め、5月上旬までに芝の種まきをする予定。施工を担当する日本フィールドシステム東北支店の平舘優支店長は「芝床改良型のハイブリッド芝は国内初。世界レベルの選手が安全でクオリティーの高い試合ができるよう、しっかり整備したい。釜石の皆さんに愛されるグラウンドになってほしい」と話した。

 

 釜石港の国際貿易港化が急速に進展する中で、今回の輸入が実現した。市ラグビーワールドカップ2019推進室によると、釜石港まで運び込むことで輸送経費が軽減できたと強調。市では引き続き、国際コンテナ物流を通じた産業経済活動をけん引していきたい考えだ。

 

 スタジアムは7月下旬に完成する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2018年3月31日発行 第677号より)

 

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