釜石市民ホール初の一般公開、芸術・文化活動の新拠点アピール〜にぎわい創出にも期待
ホールA(音楽ホール仕様)の舞台に上がり、全体を見渡す参加者ら
8日に開館した釜石市大町の釜石市民ホール(愛称TETTO)で17日、一般向けの施設見学会が開かれた。この後、24日、来年1月14日にも行われる予定で、芸術・文化活動の新たな拠点を多くの人たちに広くアピールする。
見学会は午前10時から午後4時までの時間帯で実施。30分ごとに訪れた人たちを施設スタッフらが案内し、1、2階の各スペースの特徴などを説明した。この日は市内外から約300人が見学に訪れた。
同施設は鉄筋コンクリート造り、地上4階、地下1階建て。メーンのホールAは838席(1階可動席480、2階固定席358)を備え、音楽ホール(音響反射板仕様)、劇場(袖幕仕様)の2形式で利用できる。平土間式のホールB(1階)は、約200席の設置が可能で、講演会やパーティーを含む多目的な利用を想定する。
最大の特徴はホールA、共通ロビー、ホールBを一つのフロアにでき、ホールBを開ければ、屋外の北側広場(屋根有り)までつなげた形で利用可能なこと。ホールAの1階席を収納すると、舞台奥からホールBまで長さ約80㍍にわたる平土間空間が出現。プロレスや大相撲などのスポーツイベントから結婚式まで多彩な行事に対応できる。
この他、1階にはギャラリー(可動間仕切り設置可能)、スタジオ(3室)、控室(7室)、ピアノ練習室、2階には和室(2室)、会議室、テラス(4カ所)がある。
3回の見学会では、ホールAの仕様を変えて公開。今回は音楽ホール形式、24日は劇場形式、1月14日はホールAからBを一体型にしたオールフラット形式で見てもらう。
甲子歌う会の会長を務める坂本慶子さん(71)は、来年7月に同ホールで行う予定の歌の集い(県内15団体参加)の下見を兼ねて見学。「最新式の造りで、外が見える開放的な雰囲気が今までにない感じ。震災で支援を受けたお礼と新ホールのお披露目を合わせ、ここから明るい話題を発信したい」と意気込んだ。
夫婦で見学に訪れた野田町の男性(54)は「立派な建物で素敵な空間。音楽が好きなのでホールの座席で鑑賞してみたい」と期待を膨らませ、「まちの中心に市民が集まれる場所ができたのはうれしいこと。駐車場やバス停も近いので、利便性も上がるだろう」と話した。
市民ホールの玉ノ井衛館長は「多くの可能性を秘めた施設。名称の通り市民が主役となり、どんどん活用していただければ。広報活動にも力を入れ、認知度を高めていきたい」としている。
同館の一般利用は、ホールA、B、ギャラリーを除き、来年1月5日から可能になる。グランドオープンする4月1日からはホールなども利用できるようになる。申し込みや問い合わせは市民ホール(電話0193・22・2266)へ。年末年始の休館は12月29日から1月3日まで。
(復興釜石新聞 2017年12月20日発行 第649号より)
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