ラグビーW杯へ鵜住居スタジアム着工、来年7月の完成目指す〜復興支援、世界へ感謝の場に

2017/05/04|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図

鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図(釜石市提供)

 

 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催に向けて釜石市が整備する「鵜住居復興スタジアム」(仮称)建設工事の安全祈願祭が27日、鵜住居町の現地で行われた。釜石がW杯開催候補地に名乗りを上げて3年。東日本大震災後、国内外から受けたさまざまな支援への感謝の場とする「夢舞台」が、いよいよ形になる。スタジアムは来年7月末の完成を目指す。

 

 安全祈願祭には関係者や地元住民ら約100人が出席。野田市長や鵜住居小児童会長の大丸碧仁(あおと)君、釜石東中生徒会長の沼﨑壱(はじめ)君らがくわ入れし、工事の安全を祈った。

 

復興スタジアムの無事完成を願い、くわ入れする野田武則市長ら関係者

復興スタジアムの無事完成を願い、くわ入れする野田武則市長ら関係者

 

 続いて行われた着工式で、野田武則市長は「スタジアムは震災当時の小中学生が高台を目指し、津波から逃れた場所に造られる。ここから子どもたちが未来にはばたき、船出する場にしたい」と式辞。市と共催する県の達増拓也知事は「W杯の成功へオール岩手でがんばりたい」とメッセージを寄せた。

 

 市民運動の原動力となるW杯釜石開催支援連絡会の小泉嘉明会長は「復興を、夢をつかみたい思いでW杯に声を上げ、進んできた。スタジアムの着工は心躍り、至上の喜び」と思いを込めた。

 
鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図

鵜住居復興スタジアムの完成イメージ図(釜石市提供)

 

 ラグビーW杯2019組織委員会の嶋津昭事務総長は、一昨年のW杯英国大会で日本代表が南アフリカに歴史的な勝利を挙げたことに触れ、「試合が行われたブライトンは釜石と同じ港町。このスタジアムで記憶に残る歴史を刻んでほしい」と期待を寄せた。

 

 新日鉄釜石ラグビー部の日本一7連覇にFWとして活躍し、釜石市がW杯候補地に名乗りを上げるきっかけをつくったNPO法人スクラム釜石の石山次郎代表(59)は「W杯招致に反対の声もあったが、やっていけばきっと一つになれるはず。寄付金を募るなどW杯の成功に向け今後も力になりたい」と前を向いた。

 

 着工式に続き、鵜住居幼稚園の園児が虎舞を披露。釜石シーウェイブス(SW)RFCの須田康夫主将ら8人の選手はパスプレーを披露。最年長の伊藤剛臣選手(46)がトライの場面を演じて見せ、2年半後に迫ったW杯に向けて機運を高めた。

 

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「復興を世界へアピールする大会に」とボールを掲げる釜石SWの伊藤選手

 

 伊藤選手は「震災の翌年に初めてここに来て一緒にがれき拾いをした時は、W杯ができるなんて信じられなかった。復興を世界にアピールする大会になってほしい」との思いをトライに込めた。

 

 市によると、震災の津波で全壊した鵜住居小・釜石東中の跡地約9ヘクタールを約5メートルかさ上げし、約1・1ヘクタールのグラウンドを備えた鉄骨造り約1万6千席のスタジアムを造る。スタンドは常設約6千席、仮設約1万席。総事業費約39億円のうち県と市の負担は約8億円に上る見込み。

 

 常設工事は大成建設・新光建設共同企業体が施工。19億9800万円を投入し、地元負担の約1億2千万円に過疎債を充てる。残りは復興交付金や日本スポーツ振興センター助成金などを見込む。

 

 市が全国に呼び掛けているラグビーこども未来基金の寄付総額はこれまで約2億500万円に上る。

 

(復興釜石新聞 2017年4月29日発行 第584号より)

 

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