「地域コミュニティ活性化」テーマに〜新しい東北 釜石交流会、官民連携へ課題共有

2016/12/28|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

 地域コミュニティーについて議論したパネル討論

地域コミュニティーについて議論したパネル討論

 

 東日本大震災の被災地で活動するNPOや企業、復興に携わる行政や機関などが一堂に集う催し「新しい東北交流会in釜石」が17日、釜石市大町の釜石情報交流センターで開かれた。復興庁などでつくる「新しい東北」官民連携推進協議会が主催し被災3県で開いており、今回で9回目。「地域コミュニティ活性化」をメーンテーマに、専門家によるパネルディスカッションや支援団体による取り組み事例の発表などを通じてこれまで得られたノウハウや課題を共有し、今後の復興の方向性を探った。

 

 「東北が目指す地域コミュニティとは」と題したパネルディスカッションでは、釜石リージョナルコーディネーター協議会(釜援隊)の二宮雄岳さんを司会に企業や大学、支援団体の代表者4人が震災からこれまでの復興支援の成果・課題を振り返り、復興・創生期間の支援について意見を交わした。

 

 4人が共通し今後のまちづくりに必要な視点として挙げたのは「住民主体」の取り組み。釜石市社会福祉協議会地域福祉課の菊池亮課長は釜石で始まっている住民主体の支え合い活動について紹介し、「地域課題を自分たち事にしていく空気を作ることが大切」と強調した。

 

 住民の参加を促す手段として、岩手大三陸復興・地域創生推進機構の船戸義和特任研究員は「切迫感、危機感といった障害もある程度必要。現実の課題が見えてくる」と指摘した。千葉大学大学院園芸学研究科の秋田典子准教授は「人には誰かの役に立つという欲求があり、うまく引き出し、編み上げることが大切」と話し、「昔から地域に根付く良い点だけでなく今の資源も大切に、あるものを使うのが東北型。コミュニティーは創造できる」と確信した。

 

 復興住宅で住民のソフト面支援に取り組んだUR都市再生機構岩手震災復興支援本部の岡本佳久さんは「少子高齢化の時代の今、被災地の課題は将来都会でも顕在化すると思う。どんなまちでも住民を理解し、連携して課題解決に取り組めるよう、今からできることを考えていきたい」と、東北での取り組みを全国で生かしたい考えを示した。

 

 被災地でサロン活動などに取り組む団体、日本酒での地域おこしや「食材付き情報誌」による生産者と消費者のつながり創出に取り組む団体などの事例紹介も。IT企業による高校生を対象にした交流イベント、子どもが楽しめる絵本や楽器の体験ワークショップも行われた。

 

 文化継承の先進的事例として、映画「この世界の片隅に」の特別上映会も開催。上映後には片渕須直監督、丸山正雄プロデューサーが登場し、「人とつながっていこう。どこにでも誰でも分かる生活を描こう」などと作品作りへの思いを話した。

 

 復興庁岩手復興局の山下容弘局長は「交流をきっかけに優れたノウハウが共有され、新たな展開が生まれれば」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2016年12月24日発行 第549号より)

 

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