釜石シーウェイブスRFC選手紹介2020-2021シーズンインタビュー 第6弾『南篤志バックスリーダー』

選手紹介2021/03/12


釜石シーウェイブスRFC選手紹介2020-2021シーズンインタビュー 第6弾『南篤志バックスリーダー』

南篤志バックスリーダー
1993.8.6生/173cm/85kg/北海道出身/慶応義塾⼤学卒/日本製鉄(株)東日本製鉄所所属
釜石シーウェイブスRFC公式サイトプロフィールページ

 

インタビュー日:2021年2月8日(オンライン取材)
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川 香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条 佳泰(株式会社Grafica)

 

もっとしっかり自分の力をチームに還元していかなければ

 

<p class="cap">2019.11.02 清水建設ブルーシャークス@釜石市球技場</p>

2019.11.02 清水建設ブルーシャークス@釜石市球技場

 

ーーまずは、バックス(BK)リーダー就任の経緯を教えてください。

 

南篤志BKリーダー:

春の早い時期に、坂下総監督から「BKリーダーにと考えている」とお話があって、その後、スコットHCからも「任命したいと思います」と正式に言って頂きました。
 
僕もチームの中ではだいぶ上の年齢になってきましたし、試合経験も多い方になるので、リーダーの打診を受ける前から、今季、もっとしっかり自分の力をチームに還元していかなければと考えていたんですけど、結果的にリーダーに任命して頂いた感じですね。

 

ーー坂下総監督から、リーダー就任についてお話があった時は、具体的に何か言葉はありましたか?

 

南篤志BKリーダー:

坂下さんとは同じポジションなので、前から色々とお話をする機会は多かったんですけど、総監督になられて、「選手はどういう意見をもっているんだ?」といった話を職場で会った時にしていました。
会話をする中で、僕に対して期待をしてくださっていることは前から感じていたので、さらに“頑張れ!”という気持ちで、リーダーになれと言ってくださったのかなと。

 

ーー同じポジションの偉大な先輩である坂下さんは、どんな存在ですか?

 

南篤志BKリーダー:

正直、現役時代のプレーを見たことはあまりないんですけど、肩書だけ見ても、V7戦士(新日鐵釜石ラグビー部日本選手権優勝7連覇のメンバー)で日本代表にもなられていましたし、すごい方と同じ仕事をしているんだと感じました。今はお父さんに近いような存在で、ラグビーだけではなくて、プライベートな事も相談に乗って頂いています。
 
いつも坂下さんは、選手の所属会社などに「「チームを必ず強く良くしていくので、ここを改善してほしい」と代表して交渉して下さっています。それに対して結果を出せるのは僕たち選手なので、責任を持って結果を出し、僕たちを助けてくださっている坂下さんに恩返ししたいです。

 

2020.11.1 ヤクルトレビンズ戦@釜石鵜住居復興スタジアム

2020.11.1 ヤクルトレビンズ戦@釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー2018年のインタビューで、「核になるポジションとして、リーダーではなくてもその気持ちで」と話されていました。肩書が付いた事で、意識の面など変化はありましたか?

 

南篤志BKリーダー:

基本的には今まで通りでというか、肩書を気にして変に硬くなったりしないようにと思っています。ただやっぱり、肩書が付いた以上、発言の回数を増やすなど何かしらの変化は必要だと思っていて、その内容も、今までは練習で自分が思った事を言っていたんですけど、今は、それに加えてもっとチーム全体を見て発言するように意識はしています。

 

ーーその意識の変化、切り替えは、どのようにされて行ったんですか?

 

南篤志BKリーダー:

最初はやっぱり、今のリーダー陣、中野さんと航大さんの真似からですかね。
お二人の発言を、今までは聞き流していた訳ではないんですけど、そのまま聞くだけだったのが、その内容について、「こういう視点で見ているんだな」とか「こういう時にはこのように声掛けをしているんだな」など更に考えながら聞くようになり、そうしていくうちに、どういうポイントでどんな事を言えば良いのかとか、こうした考えを持っておかなきゃいけないなと言った学びに繋がったかなとは思います。
 
あとは、コーチ陣の康さん(須田FWコーチ)、将利さん(星野スキルコーチ)が、僕がまだリーダーが不慣れな所があるので、「意識的におまえが引っ張って行け!」とか練習中に声を掛けて下さったりして、そういう面も含めて、周囲に助けられながら徐々にやっているような感じです。

 

自分を見直す為の良い時間を持てた

 

2020.9.5 ヤマハ発動機ジュビロ戦@釜石鵜住居復興スタジアム

2020.9.5 ヤマハ発動機ジュビロ戦@釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーー“コロナ禍”になって、チーム全体での活動が出来ない期間はどのように過ごされていましたか?

 

南篤志BKリーダー:

率直に、ラグビーが無くなった生活というのが今までなかったので、「やっぱりラグビー中心の生活をしていたんだな」という事を改めてすごく感じたのと、自分を見直す為の良い時間を持てたというのがありますね。
今までやっていなかった料理や読書など、色々な事にチャレンジ出来た時間でもありました。

 

ーー具体的にラグビーへの取り組み方や考え方など、見つめ直した事や変化した事はありますか?

 

南篤志BKリーダー:

コロナ禍に関係なく、今季は身体を大きくしてシーズンに入ろうと考えていたんです。その為に必要な食事の面は、最も意識して取り組みました。結果的に5㎏の増量が出来て、そこが今季一番の変化ですね。
 
それと、自分のラグビー選手としての強みって何だろうな?と。コロナ禍で個人練習しか出来ない時に、スキルアップの為にどういう練習をしたら効率的に出来るのか?を考えました。主にキックですね。色々な動画とかを見ながら工夫して練習して、スキルアップ出来たかなと思います。

 

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦@釜石鵜住居復興スタジアム

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦@釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーーこのコロナ禍の時間を有意義に過ごされていたんですね。

 

南篤志BKリーダー:

ここで腐ったら嫌だな、ポジティブに過ごしたいという想いがあったので。
それから、実は色々な出会いがあって。それをトレーニングに取り入れたりとかしたので、すごく充実した期間だったと思います。

 

ーーどういう出会いだったんですか?

 

南篤志BKリーダー:

高校の先輩でウェイトリフティングをしている方がいらっしゃるんです。その方が、昨春の緊急事態宣言下で外出自粛中、練習環境が限られて筋トレであまり負荷がかけられない時に、ゴムバンドを使用したトレーニングをされていて、その映像をSNSにあげているのを見たんです。
それで僕も取り入れようと思い、先輩とは知り合いだったので、トレーニング方法等を教えてもらいました。
 
その中で、サッカーJ2のグルージャ盛岡の秋田豊監督と先輩に繋がりがあるというお話が出て。
実は、秋田監督がそのゴムバンドの会社をされていて、その繋がりで直接トレーニングを教えて頂いたりなど、すごく貴重な経験をさせてもらいました。
 
僕、地元が茨城県の鹿島なんですけど、秋田監督が鹿島アントラーズで活躍されていた頃に、僕もアントラーズのジュニアチームに入っていたので、隣のグラウンドで練習されているのを見ていて憧れの選手だったんです。
まさか会って直接お話させて頂けるとは思っていなかったので、改めて“縁”って大事だなと。そしてこういう時だからこそ、縁が繋がりやすかったのかなとも思いましたね。

 

ーー普段の生活の中で変化はありましたか?

 

南篤志BKリーダー:

一昨年に子供が生まれて、子育ての真っ最中で色々と大変なんですけど、妻にはさっき言った食事の面で量を増やしたいとわがままを言ったんですが、文句一つ言わずにちゃんと料理をしてくれて、そのサポートは本当に助かりました!
 
今は子供と一緒に実家に戻っているので、ちょっと寂しいです。でも、会える事を楽しみに、今シーズンを乗り越えて行きたいと思います。

 

今のこの状況で試合が出来るだけでありがたいなと思います

 

2020.9.5 ヤマハ発動機ジュビロ戦@釜石鵜住居復興スタジアム

2020.9.5 ヤマハ発動機ジュビロ戦@釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーージャパンラグビートップチャレンジリーグ(TCL)の開幕は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて延期になり、先日、代替フォーマットと日程等が発表になりました。

 

南篤志BKリーダー:

試合で結果を残すためにここまで練習してきたので、試合数が少ないのは残念だなと思ったんですけど、まだ緊急事態宣言が出ている地域がある状況の中で、試合が出来るだけでありがたいなと思います。
 
まず僕たちに必要なのは、今季のフォーマットだとAグループの2位以内に入ることが絶対条件なので、その為には栗田工業と清水建設戦の2戦がとても大事です。両チームとの対戦はこれまでも苦戦してきて、今回もそれが予想されるんですけど、そこできっちり勝ち切ると2位以内に入る事が出来るので、しっかりやりきった上で、近鉄にチャレンジという流れですね。
 
そして、TCLの順位決定戦についても、TCLでTOP2になる事が今シーズンの目標なので、順位決定戦でもしっかり勝つという段階を踏むためのイメージを持って、集中して行きたいと思います

 

ーー今のチームの状態はどうでしょう?

 

南篤志BKリーダー:

良い状態です。当初の開幕の前もすごく良い状態で来ていたので、本当に期待してもらえたらと思います!

 

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦@釜石鵜住居復興スタジアム

2019.11.16 コカ・コーラレッドスパークス戦@釜石鵜住居復興スタジアム

 

ーーいつもならシーズン前の練習試合でチームの状態を見られていたのが、今年はそこが無かったので、「今、チームはどんな感じだろう?」と思っていました。

 

南篤志BKリーダー:

確かにそうですよね。僕らもシーズン前の試合は少なかったので、試合の感覚という点では掴み切れてないというか、ここも他のシーズンとは違う所ですね。
でも、チーム内で試合と同じ強度で試合をしているので、問題はないかと思います。ただ、環境というか、今年は雪が降る回数と量が多いので、それもいつものシーズンと違う要因の一つになっていますね(笑)。

 

ーー雪が降った日の練習は、まずは雪かきからですか?

 

南篤志BKリーダー:

そうです(笑)。でも、雪かきしても下は凍っていて固まった状態なので、体育館を借りて室内で練習した日もありましたし、グラウンドじゃなくてミーティングに切り替えて、息を上げるようなトレーニングをしたりしました。年明け以降は、グラウンドが使えなかった日が多かったですね。

 

ーーTCL順位決定戦後、ジャパンラグビー トップリーグ(TL)16チームにTCL上位4チームを加えた、計20チームによるトーナメント戦(計19試合)が行われますね。

 

南篤志BKリーダー:

やっぱり、公式戦でTLのチームを倒す、勝つ姿をファンの皆さんも待っていると思いますし、新しいリーグ編成にも繋がっていく重要なポイントなので、一つでも多く勝利して全体順位を上げたいです!

 

ーー新リーグについては、やはり気になりますか?

 

南篤志BKリーダー:

そうですね、気になりますね。フォーマットも変わってホーム&アウエー方式がありますし、スタジアムの大きさとか、その他にもまだ僕らには分からない部分の動きもあるとは思うんですけど、スポーツビジネスとしてやって行かなくてはならないと思うので、選手としては、アマチュアではなくなる分、これまで以上に色々な意識を高めていく必要があると感じています。
今はこのコロナ禍を乗り越えた先で、「どうなるかな」と楽しみにしている感じです。

 

ーーいよいよリーグがスタートします。今シーズンの抱負を含め読者の皆さんにメッセージをお願いします。

 

南篤志BKリーダー:

開幕は予定よりは遅れてしまいましたが、皆さんの前で映像を通してという形でも試合が出来る事をすごく楽しみにしています。
 
個人的には、今までアタックの部分ではチームに貢献出来ていたと思うんですけど、ディフェンスの部分では正直ちょっと苦手意識があったんですが、サイズアップして積極的に行けるようになったので、アタックでもディフェンスでもチームの流れを作るプレーをして、その姿を皆さんにお届けしたいと思います!
 
初戦の栗田工業戦をどれだけいい形で勝負出来るかが、いい流れでリーグ戦に入って行く事に繋がる重要な試合になってくると思います。準備の段階では色々と大変な所もありましたけど、選手は開幕に向けてしっかり調整していますので、皆さんにSW強くなったな!と純粋に思って頂けるいい試合をしたいと思っています。期待してください!

 
 

チーム活動情報、リーグ戦日程等の最新情報は、釜石シーウェイブスRFC公式サイトをご覧ください。
https://www.kamaishi-seawaves.com/


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