世界のトップ ダン・カーター選手(NZ代表)が釜石へ〜子どもらと交流「強くあれ」、復興W杯 成功願いキックオフ
復興の願いを込め力強くキックオフを披露するダン・カーターさん
「ラグビー界の至宝」と言われる世界的なスター選手、ダン・カーターさん(34)=ニュージーランド(NZ)=が17日、釜石市を訪問。2019ラグビーワールドカップ(W杯)成功を願い、鵜住居町に建設される復興スタジアム予定地で子どもたちと交流した。11年のNZ地震を経験したカーターさんはキックオフのボールに乗せ、「逆境を乗り越えて成功がある。強くあれ。3年後、オールブラックス(NZ代表)として、きっとここに戻って来る」と力強いメッセージを送った。
カーターさんは04年からオールブラックスの不動のスタンドオフ。テストマッチ(国代表の国際試合)個人通算ポイント歴代最多記録を持ち、ワールドラグビー年間最優秀選手3回を誇る。昨年のラグビーW杯イングランド大会でもNZ連覇の原動力となるなど世界のトッププレーヤーとして君臨する。
釜石には、トップリーグ・ヤマハ発動機監督の清宮克幸さん(49)、外国人として初めて日本代表の主将を務め釜石シーウェイブスでも2年間プレーしたアンドリュー・マコーミックさん(49)=摂南大コーチ=、昨年のW杯に日本代表として出場した小野晃征さん(29)=サントリー=らが同行。あいにくの小雨模様の中、ラグビー関係者や地元住民など約600人が大漁旗を打ち振って迎えた。
全員で震災犠牲者に黙とうしたあと、野田武則市長が「5年前の3月11日、ここから小中学生が高台に向かって逃げ全員が助かった。3年後には、ここから全世界に向け感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつ。仮設校舎で学ぶ釜石東中の生徒らが合唱、鵜住居青年会は虎舞を披露した。
これに応え、カーターさんが復興の願いを込めてボールをキックオフ。マコーミックさんらと共に走りながらパスを交わすなど子どもたちと交流した。
「強くあれ」と子どもらにエールを送るカーターさん
5年前、故郷のクライストチャーチでNZ地震を経験したカーターさんは「皆さんは一人じゃない。いつでも支えている」と語り掛けた。人口わずか700人ほどの小さな町で育ったことにも触れ、「オールブラックスのメンバーになれると思わなかったが、努力すれば夢はかなう。釜石の未来を担うのは君たちだ」と子どもたちを励ました。
毎年のように釜石に足を運んでいるマコーミックさんは「少しずつ笑顔が戻っているようでうれしい。今日より明日を考えよう」と前向きに呼び掛けた。
かつて釜石でプレーしたマコーミックさんも子どもたちと交流
カーターさんらに大漁旗を手渡した新田壮吾君(甲子中3年)は「3年後のW杯へ向け、英会話を磨き、しっかりおもてなしができるよう頑張りたい」と決意を新たにした。
(復興釜石新聞 2016年7月20日発行 第505号より)
釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)建設現場見学 タウンミーティング
東日本大震災・熊本地震被災児童自立 『DAN CARTER Charity for All』 Japan Tour July 2016 ~Support Our Kids~
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