釜石大観音「恋人の聖地」銘板授与〜若者集う魅力のスポットへ、運営の石応禅寺「にぎわい創出に一役」


2016/07/07
復興釜石新聞アーカイブ #観光

「恋人の聖地」の銘板を掲げる野田市長、釜石応援ふるさと大使の藤原さん、石応禅寺の都築住職

「恋人の聖地」の銘板を掲げる野田市長、釜石応援ふるさと大使の藤原さん、石応禅寺の都築住職(左から)

 

 釜石市大平町の釜石大観音は、NPO法人地域活性化支援センター(静岡市)がプロポーズにふさわしいロマンチックな場所として認定する「恋人の聖地」に選ばれた。聖地の証しとなる銘板の授与式が6月29日、釜石市役所で行われ、野田武則市長から釜石大観音を運営する石応禅寺の都築利昭住職に手渡された。

 

 野田市長は「市内外の若者が集うようなロマンチックな場所として魅力を発信してほしい」と期待。都築住職は「選定いただいた縁を基に、若者の集いの場、縁を結ぶきっかけの場として地域のにぎわい創出の一役を担っていきたい」と話した。

 

 「恋人の聖地」は少子化対策と地域活性化を狙いに2006年から行われている。これまで全国137カ所、聖地に準じる「恋人の聖地サテライト」として91カ所が選定。県内では岩手町の石神の丘美術館、遠野市の宮守川橋梁(きょうりょう)・めがね橋、岩泉町の龍泉洞と初恋水(はっこいみず)・百恋水(ひゃっこいみず)の3カ所がこれまでに選ばれており、釜石大観音は4カ所目になる。

 

 今年3月にファッションデザイナーの桂由美さんらによる選定委員会を開き、4月に認定した。5月に東京都内で行われた銘板授与式に市の代表が出席。受け取っていたものを今回、釜石大観音側に渡した。銘板は当面、釜石大観音の1階ロビー付近に展示される予定だ。

 

 釜石大観音は平和と慈愛の象徴として、1970年に建立。魚を手にした高さ48.5メートルの観音像は胸元が展望台になっており、海を一望できる。観音像の足元には慈愛の「愛」の文字が刻まれた石板や、津波から船を守ったもやい綱のレプリカ「絆・伝説のロープ」もあり、記念撮影場所として人気。震災後の2012年には、被災したカップルら6組の市民結婚式場として利用された。多くの恋人や夫婦が訪れ、絆を確かめ合うスポットとして長く親しまれてきたことが認定につながった。

 

 この日は、釜石支援の有志団体を立ち上げて市民結婚式も手がけた、釜石応援ふるさと大使の藤原綾子さん(ユミカツラインターナショナルクリエイティブディビジョン・アクセサリーデザイナー)も同席した。銘板を設置するため、ハートをモチーフにしたモニュメントの製作を予定しており、デザイン案を提案。「古里のために必要なことはお手伝いしたい」と力を込めた。

 

 市と釜石大観音では今後、「恋人の聖地」ブランドによる情報発信や関連グッズの制作による観光地としての魅力向上、関係団体と連携したイベントの開催などの事業を展開し、若者の婚活支援、市内のにぎわい創出に取り組みたい考え。釜石大観音の照井良知総務部長は「愛とおもてなしにあふれるまちになるよう、釜石地域全体を盛り上げるきっかけにしたい」と話していた。

 

(復興釜石新聞 2016年7月2日発行 第500号より)

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