釜石3年ぶり勝利 筑波大振り切る〜IBC杯ラグビー、躍動SOカマナ 2トライ 1アシスト


2016/05/24
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

釜石SOジェームス・カマナ

前半30分、釜石SOジェームス・カマナがモールサイドを突き、2つ目のトライを右隅に決める=15日、盛岡市いわぎんスタジアム

 

 第51回IBC杯ラグビー招待試合は15日、盛岡市のいわぎんスタジアムで行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCは筑波大(関東対抗戦グループ)を31―19(前半19―12)で下し、同杯で3年ぶりの勝利を挙げた。先制を許したものの、SOに起用したジェームス・カマナが大活躍。前半12分、ゴール前でパスを受け、タックルをかわしてポスト左に同点トライ。17分にはキックパスを飛ばし、WTB小野航大のトライをアシスト。30分には2本目のトライを決め、試合を優位に進めた。釜石は後半も筑波大のスピードを封じ、終了間際の1トライに抑えて振り切った。

 

 15人制では新シーズン初のオープン戦。釜石は3年ぶりに学生チームを下し、宿願のトップリーグ昇格を目指す秋の本番に向けて上々のスタートを切った。4年目のカマナが司令塔として躍動。元7人制ニュージーランド代表の実力を見せつけ、約2500人の観衆を沸かせた。

 

 前半12分、ゴール前のラックからパスを受け、巧みなステップでタックルをかわし同点トライ。17分にはピンポイントでキックパスを飛ばし、小野のトライにつなげた。さらに30分、モールサイドを抜けて右隅に2本目のトライ。勝利に向かうチームを勢い付かせた。

 

 昨季までは最後方のFBが定位置。しかも、多くは後半からの途中出場だった。「ボールタッチの多いポジションで、ランニング能力も生かしたい」と三浦健博ヘッドコーチ(HC)がSOに起用。「彼はシャイだが、実はコミュニケーション能力もなかなか」という期待に見事に応えた。須田康夫主将は「ボールランナーとしてもすごいので、相手にプレッシャーをかけられた。精度がもう少し上がれば、もっといい展開ラグビーができるはず」と、さらなる”カマナ効果”に期待する。

 

 試合開始早々と終了間際に、マークが甘くなったところを突かれてトライを許したものの、「課題のチームディフェンスはまずまず」と三浦HC。「オーバーラップ(数的優位)でトライできる場面もあったが、アタックラインが浅く取り切れなかった。もっと点は取れる」と改善点も指摘。「秋の国体ではオール岩手の主力として優勝し、トップリーグ昇格につなげたい」と指揮官としての3年目を見据えた。

 

ひたむき森山 2年ぶり本格復帰

 

 大けがをし、ひたすらリハビリに取り組んできたCTB森山裕樹(30)がようやく本格復帰を果たした。公式戦、オープン戦を通し、ほぼ2年ぶりに先発出場。試合勘が十分に戻らず、守りでミスが出るなど不本意な出来に終わったが、久々のボールタッチを楽しんだ。

 

2年ぶりに本格復帰した森山裕樹

2年ぶりに本格復帰した森山裕樹

 

 練習中に左足の脛(けい)骨と腓(ひ)骨を折ったのは2014年7月。1カ月以上に及ぶ入院を経て、ひたすらリハビリに励んできた。「どうかな…」と自分でも復帰を諦めかけた時期もあったが、チームメートや職場(日鉄住金環境)の支えが背中を押してくれたという。

 

 広島県出身で、流通経済大卒後、釜石に入団して一筋。寡黙で実直、ひたむきなプレースタイルはファンも多い。今季は選手会長にも抜てきされた。三浦HCは「バックスは若手か外国人選手ばかり。釜石らしいプレースタイルを示してほしい」、桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「まさに”たたき上げ”。彼の経験値、取り組む姿勢はチームに良い影響を与えてくれる」と期待する。

 

 「若手に負けないよう、がんばりたい」と森山。今後は縁の下の力持ちとしてチーム力の底上げに貢献する。

 

(復興釜石新聞 2016年5月18日発行 第487号より)

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