NZ強豪校トロルアボーイズ熱烈歓迎、ラグビーW杯成功へエール交換〜復興スタジアム予定地を見学「完成後にまた」と思い膨らませる


2016/05/18
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

釜石市民らと記念撮影するロトルアボーイズ高の選手団

交流会で釜石市民らと記念撮影するロトルアボーイズ高の選手団

 

 岩手国体ラグビー少年男子のプレイベント、本県高校選抜との交流試合に招かれたニュージーランド(NZ)ロトルアボーイズ高の選手らが8日、釜石市を訪れ、2019年ラグビーワールドカップ(W杯)のスタジアム建設予定地を見学した。W杯成功に向けて機運醸成に取り組む地元市民らとも交流。「W杯を復興の証しに」という熱い思いに触れた選手らは「3年後に完成したスタジアムを見たい」と、W杯出場、釜石再訪へ思いを膨らませた。

 

 選手30人とスタッフ4人にウイリアム・マーク・シンクレア駐日大使が同行。鵜住居町のスタジアム予定地を視察したあと、宝来館での交流会に臨んだ。W杯開催支援連絡会のメンバーらが歓迎。野田武則市長は「震災では世界中の人々に助けられた。世界に感謝の気持ちを伝え、復興の証明となるW杯にしたい」と熱い思いを伝えた。

 

 ロトルア高のクリス・グリンター校長は「日程の最後に釜石に来られて良かった。今回の出会いに感謝する」と交流促進に期待を込めた。

 

 震災の津波で被災した宝来館の女将(おかみ)、岩崎昭子さんが被害の状況やW杯開催地に決まるまでの経緯を報告。「3年後には世界の人々をシンボルの大漁旗で迎えたい。ぜひオールブラックス(NZ代表)のメンバーとして来てほしい」と呼びかけた。シンクレア大使が「両国の関係が深まることは確実だ。オールブラックスが釜石で試合できることを期待したい」と応えると、大きな拍手が湧いた。

 

 東大阪市出身でレギュラー(SH)として活躍する鳴尾裕貴さん(17)は「初めて被災地を訪れ、津波の恐さを実感した」と話す。オールブラックス入りを目指すマタンギレア・レイトフランシス主将(18)は「そのために(ラグビーを)やっている。W杯で釜石に来ることを楽しみにしている」と語った。

 

 ロトルア高はNZ北島にある公立の男子校。国内で五本の指に入るラグビーの強豪校で、福岡県で開かれた国際大会出場のため来日。7日には八幡平市で本県選抜と交流戦を行い、83―15と大差で勝利。交流戦を主催した八幡平市の田村正彦市長らの案内で釜石まで足を延ばした。

 

(復興釜石新聞 2016年5月11日発行 第485号より)

 

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