太陽光パネル 東北各地へ陸送、片岸地区に物流倉庫起工〜トリナ・ソーラー社 来週から稼働へ


2015/10/28
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

トリナ・ソーラー完成イメージ

太陽光パネルの物流拠点となる倉庫の完成イメージ

 

 世界でも大手の太陽光パネル製造販売会社で中国江蘇省に拠点を置くトリナ・ソーラーの日本向け物流拠点となる倉庫の起工式が21日、釜石市片岸町の現地であった。中国で生産した太陽光パネルを釜石港で陸揚げし、東北各地に発送する計画で、倉庫は来春の稼働開始を目指す。 

 

 起工式は、トリナ社と提携し倉庫の建設運営主体となる建設コンサルタント会社「大甲」(神戸市、細川秀紀代表取締役)が主催した。トリナ社の翁寅社長や野田武則市長ら市の関係者、地域住民代表など約50人が出席。神事で細川代表取締役がくわ入れし、工事の安全を祈願した。

 

起工式でくわ入れする大甲の細川代表取締役

起工式でくわ入れする大甲の細川秀紀代表取締役

 

 震災の津波で全壊した旧職業能力開発センター跡地、約1万4500平方メートルの市有地を借り受け、床面積約1500平方メートルと約4千平方メートルの大小の倉庫、事務所棟を建設する。倉庫は全体で約8万枚の太陽光パネルを保管できる。

 

 今回着工したのは小さな倉庫と事務所棟で、大型の倉庫は来年度に着工予定。このため全面的に稼働するのは2017年春からとなる。総事業費は約6億円を見込み、地元採用を含め5~10人の従業員の雇用を予定する。

 

 トリナ社は生産量、出荷量が世界トップクラスの太陽光パネルメーカー。これまでは横浜港などに陸揚げしてきたが、復興事業などに伴い東北の需要が伸びると見込み、三陸沿岸道路と東北横断道路の結節点に当たる釜石に物流拠点を置くことにした。誘致は、市と産業復興支援協定を結ぶパシフィックコンサルタンツ(東京)が仲介。昨年9月に市と立地協定を結んだ。

 

 大甲の細川代表取締役は「復興を後押しするためにもこの事業を成功させ、第2、第3の事業もできるようがんばっていきたい」としている。

 

(復興釜石新聞 2015年10月24日発行 第430号より)

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